
社交ダンス、フェザーステップの踊り方(後半)福頼氏のブログから
女性の踊り方は何といっても"ヒールターン”と”後退の歩き方”に尽きる。
また、種目に関係なく男女ともにCBMPで「絞り」を作るわけだからフェザーステップの第3歩目でもCBMPにステップすると自然にサイドリードの形になると思う。ならないのはCBMPにステップしていないから。
「NFR」は身長を1センチでも高く見せたいときのポーズと同じ。
男性はワルツのナチュラルターンやリバースターンとは同じ「ライズ」でも違う。男性第1歩の終わりでライズは終わって体は高い位置に置かれていること。それは女性がヒールターンする必要があるから。
引用の後半です。ここからです。
*女子の踊り方
* 女子は第一歩から第四歩まで全部、 フットワーク TH の後退のウォークです。男子と向き合って組んでいるのですから、男子の第一歩に CBMがあったら、女子の第一歩にも当然 CBMがあります。
男子が第二歩左足を左サイド・リーディングで前進したら、
女子は当然右サイド・リーディングで右足後退をします。
男子が第三歩右足を女子の右外側にステップしたら、
後退する女子の左足は当然 CBMP になります。
これは、完全に男子の責任によって行われるものです。
女子の重大な責任は、正しい後退のウォークをすることです。
後退した足のヒールは、
前足が揃うのに同調させて、ゆっくりとコントロールして降ろさなければなりません。
このヒールをガクンと降ろされたら、
いかに上手な男子でもスイングすることは不可能なのです。
第二歩と第三歩をトーで踊る間違った踊りを見ることがありますが、
それでは伸びやかな流れは作ることができません。
第一歩の終わりでノーフット・ライズ (NFR) したら、
第二歩も第三歩もNFRで高い姿勢を保ち、
次の足に体重を渡したらトーを床から離して引き寄せることが重要なポイントです。
後退のウォークが身についていないと、これができません。
*ダンスを文章で表現するには限界があります
音楽が絶え間なく流れるように、
音楽を表現するダンスは絶えず変化し続ける身体運動ですから、
それを文章で表現するのは容易なことではありません。
ザ・ボールルーム・テクニックという技術書は、
ダンスをステップごとに区切って、その瞬間に主として視覚で捉えることのできる特徴をアレックス・ムーアによって採用されたチャート式によって記述してあります。
日本語版を日本ボールルームダンス連盟が発行していますけれども、
日本語だけでは原書の英語が持つ微妙なニュアンスを読み取るのは困難な点があります。
* 最も誤解が多いのは 「面して」 を 「正対して」 と解釈することです。
フェザー・ステップの第一歩は
「右足前進、LOD に面して」 ですが、同時に 「CBM」 と記してあります。
ここでの CBM は左の体側を前に出すことですから、
LOD に正対したままでは左の体側を前に出して体を右に向けることは不可能です。
第二歩は 「左サイド・リーディングで前進、LOD に面して」 ですから、
体はもっと右に向いて、ほとんど壁斜めに向いているのに、
LOD に正対ということはあり得ません。
原文は 「facing LOD」 ですから、
facing の持つ意味の 「面して、- -に向かって」 から、
進行方向をさす 「--に向かって」 と解釈すべきだと考えます。
* 英語でも微妙な変化までは表現することができません。
第二歩と第三歩のタイミング (カウント) はQ,Qですが、
実際の踊りでは
「クイック」「クイック」 と機械的に 1/2拍, 1/2拍 と踊るのではなく、
「クイーック」「クイック」 というように、
第二歩のQを長めに、第三歩のQを短めに踊ります。
また、ライズ・アンド・フォールでは、
「1の終わりでライズ、2アップ、3アップ、3の終わりでロァー」 と示してありますが、
これは階段状の高さの変化を表したものではありません。
第一歩の終わりでは上昇して高くなってはいますが、
最高点は第二歩Qの前半ぐらいで、後半には下降が始まり、
第三歩のQでは
下降途中の体を軟着陸させるように受け取ってロァーを完了するというように、なだらかなカーブを描いて踊ります。
* 「ライズ」 という一つの言葉が二つの意味を持っています。
その一つは、体を高い位置に持ち上げる動作を表ししていて、
ワルツのナチュラル・ターン第一歩では
「1の終わりでライズを始める」 と示してあります。
もう一つのライズは
体が高い位置に置かれた状態を示しているもので、
フェザー・ステップの第一歩は 「1の終わりでライズ」 と示してあって、
第一歩の終わりでは体を持ち上げる動作がほとんど終わって、
体が高い位置におかれていることが必要です。
ナチュラル・ターンやリバース・ターンの第一歩も同じで、
ワルツと同じライズをしたら女子は第二歩を開くようにリードを受けて、
ヒール・ターンを踊ることができません。
ザ・ボールルーム・テクニックは、
約60年の歳月を費やして培ってきた
ボールルーム・ダンスの基本原理が凝縮して完成された技術書です。
奥深い内容を、磨き上げた簡潔な文章によって記述してありますから、
これを読み取るためには充分な知識と技術が必要です。
一流の踊り手のダンスをしっかり観察し、
優れた指導者の教えを受けながら使えば、とても貴重な教科書となります。
ザ・ボールルーム・テクニックはカリキュラムです。
この本は単なる技術の説明書ではなく、冒頭には 「教師試験の指導法」 が記述してあり、
次に 「ボールルーム・ダンスの前提条件とも言うべき ポイズ と ウォーク を説明」 してから足型に進んでいます。
その足型も教師試験の四段階のレベルに合わせて区別され、
番号順に足型を配列してある カリキュラムです。
ボールルーム・ダンスは本来社交的な娯楽ですから、
一般の踊り手たちが、トッププロの踊りを見て目を惹かれた足型を真似てみる、といった楽しみ方も有るでしょう。
しかし、本物のボールルーム・ダンス上達を目指すのであったら、
順を追って習得していくのが一番の早道です。
若い番号の足型は、その種目のダンスを構成する根や幹の部分に相当する極めて重要なものです。
上級の選手がその足型そのものを踊っていないからと言って省略すると後でたたります。
造花は一見華やかに飾り立てることはできても所詮作り物ですから、
種から育てて丈夫な茎に咲かせた命ある花の美しさには到底かないません。
競技を目指す人にとっては勝つための、特に上級に昇進するための重要なポイントです。
*ミルコ・ゴッゾリ の言葉
全英選手権で三連覇を果たし、日本インターナショナル選手権でも四回優勝しているイタリアの選手ミルコ・ゴッゾリが、NHKのインタビューに応じて次のように答えました。
『勝利のコツというのは教えることができませんから、その代わりにアドバイスをします。ベイシックな足型の質の良さを、そして自分の踊りの質の良さを確信できるように練習することです。』
引用はここまでです。
中高年ダンサーは体が固くなっているので、今さら無理してトウを作ろうとせずに、トウはボールで代表しているで良いと思います。無理しないでください。
スローのライズはワルツのライズとは違うという意味で、これはしっかりしないと女性のヒールターンに影響しますので学ぶ必要があります。スローのの場合はワルツより早めにライズが確立されているということです。
CBMとは人間が普通に歩いていれば起こる動作ですが、ダンスではそれを意識して方向転換などの場合は「少し」とか回転の場合は「強く」とかしてこれから行う動作を助ける行為だと思う。福頼氏はそれには”足の裏の捩じり”を利用して行う。と説明。しかし、この動作も我々中高年の体は新品ではないのできつい動作はやめ、ケンさんの”肩甲骨周り”の動作で代替する。私は後者を選択しています。
私の社交ダンス歴10年の中で福頼氏とケンさんのブログが一番私のダンスに影響を与えたと信じています。お二人のブログの記事に巡り合うことで私のダンスは変わったと思っています。もちろん今まで何人かのダンスの先輩諸氏からのアドバイス、サークルや個人レッスンの先生からの教えもありますが、”英国式社交ダンス”を知ったのは非常に大きな影響でした。
男女ともにスローのイメージは脚が真っすぐに伸びているというイメージ。
以上です。