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ここまでわかった「新型コロナ」抜粋 ⑤(続) 京都大学大学院特定教授 上久保靖彦 小川榮太郎 文芸評論家
第5章 これからの人類と新型コロナ
*新型コロナはもうすぐ消える
小川:この新型が出るのは、先生は十年に一度ぐらいと推定されていますね。
上久保:10年前、2010年にインフルエンザの流行カーブは抑制されていますので、もしかしたら、十年に一度ぐらい、スパイクに変異が入るのかも知れません。
新型インフルエンザも十年サイクルですし、そこには人とウイルス、ウイルスとウイルスの共生関係の何らかの法則があるように感じられます。
小川:では次に2030年に何か変異が起きるということになるのですか。
上久保:今回ロックダウンなど不自然なことをしたので、ずれ込むかもしれませんが、大体十年後ということになるかも知れません。
小川:では十年単位ぐらいに、新型が出てくると、旧型は消えちゃうんですか?
上久保:消えます。例えば、S型の後にK型が入って来たら、S型はなくなる。GISAIDを見ていただいたら、初期型はどこにももうないんです。
小川:では、去年までいたコロナは消えて、今のコロナがこれからは世界のずっと標準のコロナウイルスになるのですか?
上久保:いえ、そうではない。もうすぐこれは消えます。スパイク変異のコロナウイルスは、11月くらいに終わるので、その消失を待って、スパイク変異のないコロナウイルスが出て来ます。
例年同様、インフルエンザの流行とコロナの流行は、同じタイミングで始まります。12月はコロナとインフルエンザが混合しています。完全に両方消えるのが来年の3月くらい。これは恐らく高橋先生と一致した考えです。
ただし、もしかしたら、変異コロナが終わった途端に、新型インフルエンザが出ないとは限らないと思います。
小川:今年の11月に終わるのですか?
上久保:ええ、大体11月から12月ですね。今年で終わると言うのは私の意見でして、高橋淳先生とは若干異なるかも知れません。私たちの間でもそれぞれ考えが異なります。
上久保:変異が終わると、またコウモリから普通の、スパイクに変異が入っていない旧型が、人間に感染して、例年の状況に戻ると思いますよ。それがずっと九年間続く。そして十年目にスパイクに変異が入ります。
小川:そこまで明確にパターンが読めていた研究論文は今まであるのですか?
上久保:これは、現時点では私の推量、仮説の域を出ていません。研究論文はあるかどうか調べていませんが。
小川:そこまで明確におっしゃる理論的根拠を簡単にお教えいただけますか?
上久保:S型、K型、武漢のG型、欧米のG型、H型と変異してきていることは、既に何度もお話しましたね。
変異の数は、12~14.これでスパイクの変異を持ったウイルスに感染し、曝露して、それが我々の免疫で抑え込まれたら、ウイルスを保存しない限りは消えると思います。
K型と武漢G型のR0値は、約2と5です。仮に1000人の人を前にして、感染競争を行った場合、1人が2人に感染させていくのと、5人に感染させていくのでは、どんどん5人の方が感染者を獲得していきますね。
2X2X2と5X5X5では圧倒的な差が出ますので、K型はG型を前に消えてしまうのです。こうして、R0が小さいウイルスは消滅していきます。
そして最後の変異株が、生体の中で免疫が獲得された段階でなくなります。ですから保存しない限りは、地球上から消えることになります。
そうしますと、新たに旧型コロナがコウモリなど様々な動物宿主から再び人間に移る、といった感覚です。
小川:では十年後には、今回のように人類全体がパニックを起こさず、やり過ごしたら、ここまでのことは起こらない。
*国を閉めたから劇症化した
上久保:コロナに関しては何もしたらダメなんです。肺炎が起こったときは、肺炎に対処していたらいい。コロナの場合は慌てない方がいいのです。
慌てないで、コロナであることをまずは見極める。このごろがインターネットにより情報がオープン化したので、世界が同時にパニックになるという弊害が今回顕著に出たと思います。
とにかく、ウイルスを見極めることが重要です。コロナか、インフルエンザか、エボラか、非常に凶暴なものなのかを見極める。
今となっては、コロナ=風邪への対処として大きな教訓とすべきだと思いますが、根本は、武漢の数々の衝撃映像を見た途端に、世界各国が国を閉めたことが間違いだったのです。国を閉めたら、ロックダウンせざるを得なくなる。
小川:それは何で?
上久保:要するに、免疫が作れなくなるから、むしろ劇症化しやすくなる可能性を考えなくてはならなくなる。
ハイリスクになれば、もうロックダウンして、人に移動を制限して、感染が広がるスピードを落とす以外対処しようがなくなるからです。しかし、永遠に無菌室に世界中の人が入っていることは不可能です。
小川:世界の常識とは全く違うんだな、世界の常識は上久保先生の非常識というわけか。
上久保:私も決して大それたことは言えません。非常識とは言えません。みんな必死だったのだから偉そうなことは言えないんですよ。私だってその場になればどう判断したか分からないと思います。
しかし我々は、インフルエンザの流行カーブをキャッチして予測理論を立てた。それが相関性の非常に高い結果を出している。今はもう遺伝子解析も出来ていますから、インフルエンザと関連させる必要はないですが。そして次に新型コロナが来るのは2030年かも知れないし、また、その前年の2029年に新型インフルエンザが来るかも知れません。これは更に我々研究者が皆で研究するしかありません。
小川:そうすると、新型コロナで世界が閉鎖したことが大きな間違いであった。
しかし、逆にエボラとか、SARSみたいなものであれば、国内に入れないように直ちに空港閉鎖するのは正しいのではないですか。
上久保:その場合、こちらが閉めるのではなく、発生した場所を閉鎖するしかないですね。でもこちらが閉鎖しちゃうとダメですよ。
小川:それは何故なんですか?
上久保:コロナなどの無症候性の多い感染症は、我々の知らない間にほぼ確実に入っているものだからです。
エボラの場合は発生した地域を閉鎖します。で、我々は当然そこには行かない。
小川:エボラの常識はコロナの非常識と言いますが、激烈な症状を伴うウイルスは閉じ込める。
しかし、無症状のウイルスは平常運転を続けないとむしろ危険だという訳ですね。ただし、十年に一度は、通常の時よりは怖いウイルスになる。
上久保:2030年は特に、インフルエンザの流行カーブを見ておかないとダメですね。
ロックダウンしたせいで、10年サイクルとは限らないですから、何をするにしても慎重でないとダメですね。ここでS型が入ったな、K型が入ったなと確認する。
でも確認したら何もしない。コロナのような感染症の場合であれば、世界中、絶対何もしない。閉鎖したらダメですよ。
インフルエンザの流行カーブの解析は是非、世界中でやるべきです。バイオテロにも対応できるかも知れない。Cambridge Open Engageに書いていますが、スパコンより早く予知できる可能性もあるんですよ。
*免疫がなかったイタリアの医者の悲劇
上久保:イタリアは国を閉鎖したので、免疫が正しく形成されなかったからです。そういう国の医者は、お医者さん自身がK型に感染できていなかった可能性があります。
そこにコロナの感染者がいっぱい押し寄せてきた。だから極めて大量に曝露して、悲しいことですが、即死に近い形になってしまった。私は、「免疫がない状態での大量曝露」という現象だと推測します。
小川:世界中で、武漢に始まって、どこでも院内感染爆発が大変多かったと思うんです が、それはウイルス自体の毒性が、例えば日本より遥かに強いというより、ウイルスが集中して押し寄せて、量によって変わるんですか。
上久保:ええ、ウイルスの毒性はどちらにしても非常に強いんですよ。免疫がなければひとたまりもありません。
変異で毒性が強くなるとか、逆に弱毒化するということはありません。免疫が出来れば移らない。軽症で済む。免疫がなければ重症化するし死ぬんです。
免疫がないと肺でウイルスが増殖した可能性があり、そのため陽性になった途端、即死に近い状態になったかも知れない。ウイルス量は当然、重症化や死亡と関係あります。
ただし、免疫が全くなかったり、とても高齢であったり、極めて重篤な基礎疾患がある場合は、ウイルス量が少なくても、倍加時間が長くなるだけで、死んでしまうこともある。
更に言いますと、欧米ではADE(抗体依存性感染増強)が起こってしまったことは既にお話しましたね。ADEは極端な症状が出ますから、益々恐怖を掻き立てることになったわけです。
小川:非常に大きなウイルス対人間という関係で、不自然なことをした。中飛びで、K型を飛ばしちゃったのは、不自然なことをしたからだと。
上久保:そうです。たったの1ヶ月の差なんですよ。たったの1ヶ月ちょっとです。へたなことをしたら世界中でとんでもない現象が起きてしまった。
*渡航制限で感染爆発が起きた
小川:しかし今も日本では奇妙な自粛モードが抜けきれない。
上久保:閉鎖を続けていると再び感染爆発が起こります。閉鎖にしろ行って来た人の責任になります。
私どもは4月の終わり、遅くともゴールデンウィーク明けには、科学的には渡航制限を解除できると思うと言って来ましたよね。小川先生から政府にもお伝えして頂いたと思います。
小川:しかし、マスコミや一部学者、小池百合子東京都知事ら一部首長の、移動するな、飲食店に行くな、検査しろというキャンペーンは怖ろしいほど強力で長続きしています。
上久保:日本政府はその圧力に負けずにGo Toも推進し、指定感染症も8月下旬の安倍総理の辞任表明会見で見直しを言明、10月、11月から感染爆発が生じる可能性はだいぶ低くなったと思います。
あとは開国です。8月には開かないとダメですね。これ以上閉じていたらえらいことになります。
小川:海外とは渡航制限なしにする。
上久保:なし。日本を開くんです。入って来てもまだ大丈夫だと思います。科学者がそんな断言をすべきではないと、おためごかしに言われますよね。
小川:命が関わっているのに、断言するなど怪しからんと言われますね。
上久保:誰も断言なんてしたくないですよ、でも命がかかっているんです。
しかし、国を開かずに、免疫形成に不自然な穴を開けたら、大なり小なり欧米を直撃したのと同じ現象が日本でも起きますよ。あなた、責任を持てますかという話です。
永久に閉めていることは出来るのですか。そうすれば益々免疫がなくなっていく。ドンドン大変になっていく。免疫は閉めれば閉めるほど廃れていく。
企業は倒産し、自殺者は増える。誰かが開いても大丈夫と言わないと、どうなるんでしょうか。
私は科学者です。本来なら、こんな社会問題において断言などしたいはずがない。しかし、小川先生と私は、GW明けには渡航制限解除が可能だと、勇を鼓して意見書を提出していました。
小川:世界がみんな怖がっているから、世界の側がなかなか来ないかもしれませんね。国内の移動はもちろん大丈夫ですね。
上久保:大丈夫です。ただし、先生には4月から一貫して申し上げているように、離島や過疎地、非常に厳格に隔離された老人施設だけは、免疫形成が不十分なので、慎重に見極める必要があります。
*PCR検査を煽った狂気の洗脳
小川:7月11日の段階で、新型コロナ問題は、小池都知事の政策判断、いや政治ショーであって、感染症問題ではないと菅さんははっきり言った。
そして菅長官【当時】はGo to運動を主導した。ところが、マスコミの凄まじいGoTo非難が始まる。PCRで感染者増を煽って日本を萎縮させる狂気の洗脳が7月から途方もない勢いで開始されました。
その結果、政府はGo To運動を進めているのに、大企業などが大幅に出張を控えて、新幹線ががら空きという異常な状況が続きます。政府の方針を信じないで、マスコミの煽りを大企業の経営者らが信じる。
この県を跨ぐ移動の制限と並んで、もう一つ根強くターゲットにされ続けたのは、夜の街です。陽性率も非常に高いと、ホストクラブなどひどく批判されて来ましたが、どうお考えですか。
上久保:ホストの方は、20,30歳ぐらいの方で、もともと免疫を持っていないということは、あり得ない。既感染パターンで、免疫を持っている人に、ウイルスが暴露している訳だから重症化はしません。
それを集団検査で、カウントしに行っている。それは検査はやっただけ増えますよ、ということです。検査はやらずに、普通に店を開いて、商売をされれば良いだけです。躊躇はいりません。
小川:銀座なんかだと客層は50代から70代が中心だけど、このあたりはどうですか?
上久保:大丈夫です。遊び歩いている人というのは免疫を持っていますから大丈夫です。
ですから、極めてシビアな免疫不全とか、もう基礎疾患が重くて例年でも風邪をひいたらすぐに肺炎になってしまいそうな、病院に寝たきりになっておられるような方だけ、慎重に対処すればいい。
小川:老人ホームなどはどう対処したらいいでしょうかね。
上久保:この数ヶ月、楽しく慰問で何か来ていただいて、職員さんとお話をすることが あってというような人は大丈夫です。
何らか外から人が入りますから、うつっているんです。抗体が出来ていると考えられる。
小川:このあたり何度も確認になりますが、要するにこれはエボラじゃなくて、コロナだよと。
コロナというものは、常在ウイルスで、非常にR0が高い。新型は変異で当然R0が非常に高くなっていると思いますが、旧型でどのくらいですか?
上久保:コロナ型ウイルスについては、今までどんな研究者も正確に測っていないと思うので、断言できませんが、集団免疫に必要な感染者は60~80%くらいでしょうか。
小川:コロナはほとんどの人は無症候で気付かずにうつしあって、多分そのくらいの感染者を例年出していた、ということになるわけですね。
それより遥かにR0値が高いために大きな脅威となった新型コロナウイルスの感染者が、それより少ないはずがないというのは、算数以前の常識の問題のような気がします。
上久保:今回のようにスパイクに変異が入った時にはうつす確率は高くなります。だからこそ気が付かない内に、それをうつさせておくのが必要なのです。
コロナの場合は順番に罹らないとダメです。
小川:それは今回の実態を証明していると考えられますね。日本或いは中国周辺国、いや北京や上海も、感染爆発は起こっていなかったんですね。
ロシア、中国本土、ASEAN、日本、朝鮮、オーストラリア、ニュージーランドぐらいまで、殆ど感染爆発は起こっていない。
上久保:いえ、感染爆発は起こっている。感染は全員している。ただひどい症状は起こっていない。ADEは起こっていない。
小川:早く閉めた台湾などはどうお考えですか。
上久保:早く閉めたんですけど、むしろ閉めるぞという噂が流れた途端に、先にバーンと帰って来ているはずですよ。経済的、血縁的に中国と関係が濃く、近い国ですから。
小川:台湾の場合、数万人が帰って来たとなったら、それだけで完全に感染拡大するだろうな。しかし、PCRなどで陽性者も殆んど出なかったのではなかったですか?
上久保:詳しく調べていませんが、既に感染済みでウイルスが抑え込まれているので、PCR検査の結果は逆に陰性に出るでしょう。
*抗体検査とは何か
小川:抗体検査も本来必要ないかも知れませんが、これだけ騒ぎが世界化して長引くと、抗体を持っているという実証は必要になりますね。
上久保:安心材料としては必要かも知れません。既にお話した村上康文理科大教授の検査キットであれば、検査学の実際的なことを知っている研究者なら、生データを元に正確にカットオフ値を決めることは出来るでしょう。
小川:抗体検査については、今後も世界的に議論の的になり続けると思います。ここで改めて多角的に検討しておきましょう。
村上教授の検査では5月から8月に首都圏で、複数の抗原を用いて精度を高めたところ、約1.9%で陽性の結果が出たと発表されました。これは厚労省の東京の抗体保有率0.1%に比べ、遙かに高い水準になります(図11略)。
しかし上久保―高橋理論では、集団免疫が日本では達成して久しいとされている。
そうすると普通、抗体の保有はもう少し多く、何十%という結果が出ないとおかしいのではないか。どう考えたらよいのか。
その辺りを改めて整理してみましょう。まず、抗体キットそのものについて伺います。抗体キットの指標としての価値はどのあたりにあるのでしょうか。
上久保:抗体キットは、今のところ、免疫を持っているかどうかを測る主流の検査方法ですね。
既にお話したように、抗体は免疫機能の中では最終兵器ですから、たとえ抗体が出ていなくても、自然免疫で退治してしまえる場合もたくさんあります。
だから抗体検査で充分な抗体値が出ないからと言って免疫がないかというと、一概にそうは言えません。
上久保:抗体は免疫システムの一部に過ぎないのですが、免疫全体を計算するのは難しいのです。
実験室の中で自然免疫をいろいろ調べるだけなら可能ですよ。ところが、これをキットとして実用化するのは難しい。
小川:そうすると、獲得免疫ではなく自然免疫が新型コロナでどの程度機能しているかを調べるのは、難しいことになりますか?
上久保:ええ、何よりも食細胞が新型コロナウイルスをどれだけ分解、消化するかを見るのは、一般的な実験では無理でしょう。
自然免疫には、「Tooll-Likeレセプター」という受容体がありますが、そこにどのように反応を出すかを見るのが難しいからです。
その上、指定感染症のウイルスを扱ってよい組織は日本国内で数箇所もありません。だから法的な意味でも制約があるのです。
小川:では、抗体検査が一番結果が出やすいということは言えるわけですね。検査方法が他にない中で、免疫が既にあるかどうかを測る上で。やはり抗体検査が有力な手段な訳だ。
そうした基本知識を確認した上で、村上教授のデータの読み方についての話に移っていきたいのですが。。。
上久保:村上教授のキットは、NタンパクとSタンパクをどちらも捕捉できる大変精度の高いキットです。
小川:それにも関わらず、陽性率が1.9%というのはどういうことでしょうか。
上久保:まず岸本寿夫先生の図表13(略)をご覧ください。初感染を良くご覧いただくとIgMが先に出ています。それからIgGが出ている。これが初感染のパターンです。
入れ替わるようにIgGが後から出て来ます。そして感染の極期が終わりますと、IgGは下がって来る。
一方再感染パターンは、IgGがずっといきなり出て来るんですね。
村上教授はIgMとIgGが同時に上がっているという表現をなさったと思いますが、それは380例の殆どの再感染パターンです。つまり既に感染して抗体を持っている、ということを意味しているのです。
小川:村上教授は、今回カットオフ値を決める際には、発症して入院した人の値を基準にして、陽性判定したと仰ってました。
上久保:村上教授が陽性と判定されたのは、入院の症例、またそれに相当する症例ということです。これらの高い数値を示す検体は、すべてIgMが先に出て、次にIgGが上がっています。初感染パターンです。
小川:そうすると村上教授は入院時の非常に高い症例の数値に合わせて、カットオフ値を設定された訳ですね。
これは現在陽性と言える水準の抗体値を示している。だから確かに陽性率という言い方がふさわしいということになりますし、それが一般の方々の間でも1.9%もいたというのは相当大きな割合ですね。
それに対して、低い値のIgGが出ているのは、現在陽性ではない。ただし、既に抗体を持っている。既感染でも、もう治っている訳だから陽性率というより、抗体保有率と言った方が良いでしょうかね。そして抗体保有率はほぼ100%だということになります。
上久保:そう考えていただいていいです。感染が終わった後、IgGがずっと高い値のまま続くということはないんです。
治療すれば抗体値は急激に下がる。ですから非常に低く見える。これは当たり前のことです。
小川:抗体がすぐに下がっちゃうから、また感染するのではないかと言う人がいますが。。。
上久保:そういう意味では全くありません。低くなっていますが、抗体が消えてしまったという訳ではないからです。
小川:そうすると、またウイルスが来た時は?
上久保:またすっとIgGが上がってウイルスを退治してくれる。
ですから検体の中に中程度の値が一定割合ありますでしょ。これは感染の極期から時間が少し経ったが、まだIgGが比較的多く残っている場合もあれば、再度曝露してまたちょっと上がっている瞬間だとか、そういう値だろうと考えられます。
その他の方々の、低い値は感染極期が終わって、抗体が静まっている所ですが、でもこれはIgGはある。だから検体例はほぼ全例抗体を持っているということになる訳です。
小川:なるほど。しかしこれは凄い話だな。誰もそんなこと、分からないで騒いでいるんじゃありませんかね。
上久保:教科書に書いてあるレベルの話なんですけどね。