見出し画像

食道癌顛末 6.陽子線治療

 5月2日に、がんセンター東病院を退院、
引続き、通院して食道癌の陽子線治療を受けた。
陽子線治療自体は、20分程おとなしく寝ているだけで、
痛くもなんともないが、東京から通うのはとても無理なので、
妻と二人で病院の最寄り駅近くのホテルに滞在した。
なお、ホテルの部屋はツイーン、(残念ながら)ダブルではない。

  退院後、抗がん剤の副作用で、歩くことが出来ず、
ホテルと病院内を車椅子で移動していた。
このまま一生車椅子かと、思わぬでもなかったが、
徐々に回復して3週間後に、何とか歩けるようになった。
頭髪はかなり抜けたが抜けきるまでには至らず、
バイデン程度にとどまった。 

 朝は5時に起きてシャワーを浴び、ゆったりとした気分で
レストランに行き、バイキングの朝食を食べる。
クロワッサン、ウインナー、スクランブルエッグ、
サラダ、牛乳、ジュース、果物等、多種多彩で飽きない。

ホテルの朝食

  昼食は病院のテラスでサンドイッチを食べる。
頭上の明るい新緑の間から、雀がチュンチュンと煩く催促するので、
パンの切れ端を目の前の塀の上に置くと、数羽おりてきて、口にくわえる。
毎日会っていると、お友達になった気分。

お友達がパンをくわえる

  夕方は歩行訓練も兼ねて近くのララポートに行く。
飲食店は2,30店ほどあるが、
大抵の店は、味が濃かったり、脂っぽかったり、
主たる客の年齢層が我々より1世代か2世代若いらしい。
結局は天丼屋、回転寿司、チャンポン、3店の繰り返しだった。

  夕食後は、ララポート内の本屋で、文庫を買い、
病院の待ち時間、ホテルでの暇時間は専ら読書で過ごす。
この時読んだ中では、小川洋子さんの短編がなかなか面白かった。

 兎も角、陽子線治療は無事に完了、
6月12日にホテルを切り上げて東京人形町の自宅に戻った。
途中、帰りの電車の車窓に東京スカイツリーが現れた時はホッとした。

  今後は、月一度の検査を受け、再発、転移の有無を確認する。
考えたくないが、当初の癌が消えていない場合は、
最初の三か月程で判明するそうだ。

 
追:治療後、7,8,9月の内視鏡とCTの検査で、再発、転移なし。
  その後は三か月毎の検査となり、この5月の検査でも異常なし
  無事に1年過ぎ、一山乗り越えたらしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?