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好事魔多し

 2012年5月の日記です。
 
 人生は波の如し、浮き沈みの繰り返しだが、
先週は公私共に波間に沈む一週間だった。
呑みすぎが主原因(加齢も?)であろう眩暈(めまい)事件の2日後、
今度は個人ではなく、会社で事件があった。
 
 木曜日の夜9時ころ、総務部長から電話があり、
工場で火災が発生し、消防車が5,6台来て現在消火中、との事。
30分後、再度電話があり、火災は沈下した、怪我人はいない、
延焼の範囲は一部設備に限定され、建物の損傷はない。
明日はとりあえず、全ラインを停止するが、
朝9時に消防と警察による現場検証があるので、
その前に現場を見てほしいから、8時に来て下さい、との事。
 
 最初の電話の後、状況によっては、
今から工場に行かなければならないかもしれない、
夕食時の酒は控えめだったから、行けない事はない、
等と、その夜の自らの去就を心配していたが、
2度目の電話で、ほっとして明日に備えて直ぐに寝た。
 
 翌朝、8時前に会社に行き、簡単な説明を聞き、現場を見た。
火元と思われる熱風ダクトや延焼した設備を丁寧に確認したが、
想像していたほど酷くはない。
化学工場などに比べると、可燃物が少ないからだろう。
若いころ、2度ほど工場の火事を経験しているが、
それに比べれば、ぼやに毛が生えたようなものだ。
(口には出さないが、)
 
 勿論、消防署の素早い対応があってのことで、
おかげで、人的被害もなく、主要ラインは月曜日から操業出来る。
毎年、市には多額の税金を納めているし、何度か市長とも会っている。
消火に駆けつけてくれた消防署員は、町内会で当社の社員を
よくご存知とかで、総じて好意的だ。
地元自治体や地域の人々とのお付き合いが大事と、改めて認識した。
 
 会社はこの数年好業績だが、油断してはいけないとの警鐘だ。
かのマキャベリは言っている、
「天気のいい日に嵐のことなど考えてもみないのは、
人間共通の弱点である」と。
日本語で言うと、「好事魔多し」

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