始動式
2011年8月の日記です。
なぜか、どこの会社でも設備の始動式は神式らしい。
当社では、予て建設中の、鉄管の防錆処理ラインが完成し、今日、始動式を行った。今後、当社の鉄管は全て独自開発の防錆処理を施すことにする、期待の新商品だ。
定刻前に、事務所を出ると暑さと湿気にむっとするが、工場内は一段と暑く、40度程度はありそうだ。新設備の前に行くと、既に50人程度の参列者が、神事用の祭壇の前に整列している。
半分は当社社員、半分は工事会社の責任者、当社社員は、私を含めて全員が作業着だが、工事会社の責任者はスーツを着ている人も多く、襟に汗がたれている。仕事とはいえ、何とも気の毒だ。
当社がいつも頼んでいる、60前の女性神主様の取り仕切りで、始動式が始まる。神主様の装いは真冬1月の安全祈願と同じ重装備だが、汗が見えないし、暑つがるそぶりもない。流石に神主様、気合の入れ方が違う。
いつもの通り、祝詞奏上で会社名に続いて個人名を言われるのが、なんとも釈然としないのだが、仕方が無い。始動の儀で白手袋をしてスイッチを押すと、搬送装置が動き、1分ほどのサイクルを無事に終える。玉串奉天などを経て神事を終了し、最後に神酒で献杯をして無事に儀式は終了する。工事会社の人に一通りの挨拶をして、事務所に戻る。
日本人では子供の誕生や健やかな成長、無事を祈る時は神式、会社の新設備の始動式や安全祈願なども神式のグループ、葬儀や仏様を偲ぶ法要は仏式、加えて、クリスマスだけはキリスト式、宗教に関していい加減なのは、国民性だろうか。