終わった人
2019年2月の日記です。
22歳で大学の理系を卒業して某大企業に就職し、
5年前、67歳で卒業した。
目出度くリタイアと思いきや、姫路の会社からスカウトされ、
今もサラリーマンの延長戦をしている。
昨今、社内外の仕事の相手は息子の歳に近い。
現在の我身を振り返ると、頭はまだまだそれなりだし、
永年の諸々の経験がものをいう局面が多いと思う。
しかし、残念ながら体の方は歳なりだ。
平衡感覚が衰え、特に酒を飲むと足元が危ういから、
宴席では、ビール1,2杯に抑えており、些か寂しい。
色々考え、次の株主総会で第一線を退いて東京に戻ろうと考えている。
他の幹部からは、まだ続けて欲しいとは言われるが、
本音かどうかは、怪しい。
〇〇さんが退けば、席が一つ空く、と思うのが普通だ。
6月以降、姫路出勤は月に1,2度だけにする。
リタイアしたら、読書、小旅行など、好きなだけ楽しめるし、
物理学や哲学の講座に参加しようか、等と頭では考えるのだが、
本音は、仕事を辞めて自分の立ち位置がなくなる不安がある。
内館牧子「終わった人」の心境がよくわかる。
リタイア後、諸々のことで忙しいという同期もいるが、
なんとなく無理をしている、言っている感もある。
いずれにしても、人生をリタイアするわけではないから、
残りの3か月で、次の何かを探すことにしよう。
「生涯に 定年なしと 稲を刈る」のだ。
追:その後、持ち株会社からの独立、コロナ不況などがあり、
実際にリタイアしたのは、更に2年後になった。