2代目はダメ
2012年7月の日記です。
今週月曜日から3日間、神戸、福井に出張した。
連日35度を超える酷暑に加えて、
未だ風邪の治りきらない身でもあり、精根尽きてしまったが、
何とか、生きて日本橋の我が家に生還した。
我社は全国に20社余の一次販売店網を有しており、
製品は彼らがその先の二次販売店や工事業者に販売している。
一次販売店は一代で起こしたワンマンのオーナー企業も多く、
なかには財務体質が脆弱で、目を離せない会社も少なくない。
一般論として、一代で起こしたオーナー企業の97%が
二代目で消えてなくなるそうだが、
当社とかかわりのあるワンマンオーナーの跡継ぎ、
つまり大体は息子殿だが、ことごとく出来が悪い、
と言うか、少なくとも適正がない。
今回訪問した、福井の販売店の会社も、
典型的なワンマンオーナー会社だが、
跡を継ぐとされている息子殿は役に立たない。
10年ほど前、その息子殿を当社で4年ほど預かったそうだが、
仕事に対する精神態度がいい加減で、役に立たないとの評価だった。
3年前にそのオーナー殿から
当社役員のA氏に社長で来ていただけないか、との打診があり、
A氏も乗り気だったので、役員を辞任してもらい、転籍させた。
先般、そのA氏から電話で、福井の会社の社長を辞任し、
名古屋の会社(これも当社の販売店)に行く事になったと、
簡単な報告があった。
実際はオーナー殿が息子殿(39歳)を常務にしようとしたのを
実力も人望もないからとても無理だと反対したのを、
快く思わず、では辞めてくれと言われたらしい。
オーナー殿に、A氏から電話で報告を受けた、
経緯はどうあれ、結果としてはご迷惑をお掛けしたので、
挨拶に来ました、と言うと、
オーナー殿はホッとした表情で、わざわざ申し訳ないとの事。
苦情を言われるのではないか、と心配していたらしい。
当社の名古屋支社長とオーナー殿が一通り仕事の話をして、
昼の会食もしたが、同席していた息子殿の存在感はまるでない。
オーナー殿が仕事の件を聞いても、
何も知らず、口をもぐもぐするだけだ。
聞けば、自分は社長になる事になっているから、
社員の仕事はしないと、まるで身分が違うようなことを言うから、
40人余りの全社員が相手にしないし、報告もしない。
午前中は会社でぶらぶらし、午後になると帰ってしまう。
少し前まではジーパン、革ジャンに派手な茶髪だったそうだが、
流石に、昨今は髪を黒く染め、普通のスーツを着ている。
それでも、長めの髪を額に垂らし、日焼けした顔に、
胸を開けたシャツから金属のネックレスが垣間見え、
とてもではないが、泥臭い仕事をするようには見えないし、
するつもりもなさそうだ。
会食中の会話にも参加せず、仕事が出来ないだけではなく、
大人の常識があるのだろうかと疑いたくもなる。
あるいは、私の知らない、思わぬ能力があるのかもしれないが、
少なくとも、地道な販売店の仕事が出来るとは思えない。
それなりの会社を一代で起こしたオーナー殿が、
何故あの息子殿に継がせようと無謀な事をするのか、
不思議としか言いようがない。