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馬謖(ばしょく)を切る

 2013年7月の日記です。
 
 三国志では・・・
第一次北伐、蜀の諸葛亮は魏に攻め入り、初戦を優勢に進める。
戦略上の要所である街亭を確保し、守備を馬謖に任せる。
街亭に着いた馬謖は諸葛亮の「道筋を押さえて魏軍を防げ」
という指令を無視し、副将王平の諫めも聞かず、山頂に陣取ってしまう。
そして山を下る勢いで一気に魏軍を破るつもりだったのだが、
麓を魏軍に包囲され、水を断たれて脱走兵が相次ぎ、
切羽詰まって魏軍に突撃して壊滅してしまった。
 
 馬謖は1万から1万5千程度の兵力しか与えられておらず、
魏軍5万を迎え撃つとしたら、まともに戦うのは無謀すぎる。
これを打ち破ろうとしたのは、明らかに馬謖の過信だった。
王平は「道に陣をとれば10万の敵でも1兵たりとも通れない」と言ったが、
馬謖がそれに従ってよく道を固めれば、兵力差を補えたはずである。
この敗戦で蜀軍はみすみす撤退することになった。
 
 若い馬謖は才気溢れ、諸葛亮は我子の如く愛し信頼していたが、
手柄をあげれば結果オーライと思い、指令を無視してしまった。
指令を無視した馬謖をそのままにしては軍の規律が守れない。
諸葛亮は泣いて馬謖を切った。
 
 話は変わって当社のことだが・・・
先日、技術系のライン長の某氏が、
他社との交渉事に関し、私が会議で明確に指示したことを無視し、
報告も相談もなく相手の主張を認めてしまい、
結果として当社が不利に陥ってしまった。
悪意があったわけではないだろうが、
このまま穏便に済ませたのでは示しがつかないので、
役職解任をすることにして本人に告げた。
 
 某氏は技術レベルが高く、性格も穏やかで人もいいが、
仕事を独断ですすめ、報告、相談をおろそかにする傾向がある。
組織人としては、些か疑問であり、
今思えば、私の任命責任もありそうだ。
 
 某氏は相当なショックだったようだが、
社員としての身分は保障されているし、役職を解任されても、
資格は変わらないから、少なくとも当面の処遇は維持される。
世間から見れば、人生を左右するほどのことはないと思うが・・・

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