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上場企業16.社長退任
2月に勃発したY商事の裏切りに対し、紆余曲折はあったが、結果としては、Y商事の東京営業所長以下、主要な営業マン数名の引き抜きに成功し、当社子会社のN商事が東京営業所を新設して、6月に無事に立ち上がった。
引き抜き成功の要因は色々あるが、以下が考えられる。
1.当社の対応が素早く、1カ月ほどで引き抜きの大勢が決まった。
その後Y社は社長以下が引き留め工作をしたが周回遅れだった。
2. Y商事東京営業所の営業マンは、当社の営業と長年の信頼関係があ り、 今更K社商品に切り変えることには違和感があった。
3. K社は販売会社を仲間というより、格下に見ていた。
4. Y商事内部に、K社べったり派と独立派があり、一枚岩ではなかった。
しかしながら、Y商事にも意地があるだろうし、もともとこの話を仕掛けたK社の営業部長は販売増が実現しなければ責任を問われるだろうから、一筋縄ではいかないかもしれない。そうはいっても、私の社長としての役割りはここまでで時間切れ、後は次の社長に託すしかない。
その頃、水道管の業界団体で年に一度の総会があった。会長は言わずと知れたK社社長、K社は主力の農業機械が大きく伸びて業界での評価が高く、社長はK社中興の祖と持ち上げられていた。総会後の懇親会で私が彼に会い、6月で社長を退任すると告げると、私の顔を見上げて(彼は背が低い)、羨ましそうに、いいですなと言う。半分社交辞令、半分本音の様子だった。ちなみに彼は私とは同年だ。
ところが、翌朝、思いもよらぬ事件が起きた。彼は懇親会のあと、東京のホテルに宿泊したが、朝、運転手が迎えに行くと時間になっても現れない。ホテルで部屋を調べると、浴室に倒れて既に亡くなっていた。前日酒を飲んで(かなり飲んでいた)風呂に入ったが故の事故だったのかもしれない。呑んだら(風呂に)入るな、が常識なのだが・・・・
退任間際でバタバタと色々あったが、6月末の株主総会で無事に社長を退任し、6月30日に人形町から姫路駅近くの賃貸マンションに転居した。翌7月1日に姫路の会社に出社し、代表に就任、それをもってT社のことは・・・・忘れた!
追:その後の東京地区販売量5000トンの、その後の状況を問い合わせていた方から返信があり、翌年度に4000トン取り戻せたとのことでした。まあまあ・・・・成功だったかと思います。