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NHK短歌「こわいもの」

 毎週、日曜の早朝はNHK短歌、今日のテーマは「こわいもの」だった。
 選者の大森静佳さんは1989年生まれ、京大在学中に「硝子の駒」50首で角川短歌賞を受賞、以降次々に各種賞を受賞、いずれも初の平成生まれの受賞者とのこと。スーパーリアリズムの鉛筆画家・大森浩平氏は実弟、夫は歌人で精神科医の土岐友浩氏。才能ある人は集まるらしい。
 何時もの如く、全国から寄せられた短歌から、入選9作を紹介し、更にその中から三席までを選んでいる。

 今週の第一席は、

タワマンの 部屋の明かりが 消えてゆく
ジェンガであれば 右に倒れる  (西田浩之)

 わが長男はタワマンの26階に住んでいる。ベランダの向こうに、都心から横浜までの景観を一望できる。すべてを見おろす心地で気分がいいが、出来すぎのような気もする。先日の夜は、横浜の花火が素晴らしかったと動画を送ってくれた。ジェンガではないから、倒れる心配はない・・・・はずだ。地震にも心配ないと言うが、水道・電気がどうだか気にはなる。何と言っても26階だ。

 三席までには入らなかったが、次の作品が面白い。

ご丁寧に 私のネットの 悪口を
プリントアウト してくれた人  (羽石ねこ)

 ネットで直接悪口を書かれたことは(多分)ないが、どこかで悪く書かれていることはかなりあるようだ。何度か、あそこでこんなことが書かれていると、わざわざ知らせてくれた人がいて、そこを見ると、確かに悪口が書かれている。書いている人はネット上だけの知り合いの時もあれば、実際に知っている人のこともある。私の何かが気に入らないようで、第三者に同意を求めている文言だ。成程、自分のあの部分が嫌われているのかと、納得して気を付けようとは思うが、書いた人にはシコリが残る。念の為だが、さすがにプリントアウトしてくれたご丁寧な人はいない。

 因みに二席、三席は、

夏の宵 スペアを持たぬ 眼球で
戦争映画の 字幕をたどる   (芍薬) 

祈る手の 中に怖い手 だってある
千手観音 どの手で救う   (稲山博司)

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