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川端康成「眠れる美女」

 引続き、文芸春秋8月号の特集「昭和100年の100人」から、
「川端康成 ―江口老人の欲望― (作家鈴木涼美)」を紹介します。
 
 例によって冒頭のト書きは・・・・
 日本人初のノーベル文学賞を受賞した川端康成(1899~1972)。名作「眠れる美女」は何を書いたのか?愛読する女性作家・鈴木鈴美氏が解き明かす。
 
 以下、ウィキから抜粋する・・・・川端 康成(1899年~ 1972年)は、戦前・戦後にかけて活躍した近現代日本文学を代表する作家の1人、代表作は、『伊豆の踊子』『浅草紅団』『抒情歌』『禽獣』『雪国』『千羽鶴』『山の音』『眠れる美女』『古都』など。ノーベル文学賞をはじめ、多くの文学賞を受賞し、日本ペンクラブや国際ペンクラブ大会で尽力したが、1972年(昭和47年)4月16日夜、72歳でガス自殺した。遺書はなかった。
 
 川端康成は戦前から戦後にかけて多くの作品があり、とてもではないが、全体を語れるほど読んではいないし、読んだのが昔のことで記憶が定かではない。それでも勝手な印象を述べると、作品に2系統あるような気がする。一つは「伊豆の踊子」「雪国」等のエンタメシリーズ、もう一つは「眠れる美女」等のエロティシズムシリーズ。両シリーズが同じ作家の作品とは思えないが、長い作家活動の結果なのだろう。
 
 文芸春秋に鈴木涼美さんが取り上げている、「眠れる美女」は海外の評価が高い。例によって、ウィキから抜粋する・・・・
眠れる美女』は、川端康成中編小説。全5章から成る。「魔界」のテーマに連なる川端の後期を代表する前衛的な趣の作品で、デカダンス文学の名作と称されている。すでに男でなくなった有閑老人限定の「秘密くらぶ」の会員となった老人が、海辺の宿の一室で、意識がなく眠らされた形の若い娘の傍らで一夜を過ごす物語。老いを自覚した男が、逸楽の館での「眠れる美女」のみずみずしい肉体を仔細に観察しながら、過去の恋人や自分の娘、死んだ母の断想や様々な妄念、夢想を去来させるエロティシズムとデカダンスが描かれている
 
 日本では勿論、海外での評価も高く、英語をはじめ、中国語フランス語スペイン語イタリア語ドイツ語に翻訳されて世界各国で出版されている。又、日本で2度、海外で3度(フランスドイツオーストラリア)映画化された。
 
 今回、文芸春記事に記事を書いた、鈴木涼美さんは中学生時代から川端作品を読み、やがて「眠れる美女」を読み、買う男の論理に触れた気がしたとのこと。以下、記事の最後の部分を転記します。・・・・
 こんなに正直に描かれた男のなさけなさをなかなか見ない。男がそんな欲望を持たなくなったのならそれはそれで別によい。でも少なくとも「眠れる美女」は地球の裏側の大作家まで共振させたし、・・・
 確かにある不適切な欲望とどこかで向き合わないのであれば、それはアップデートじゃなくて退化、正しさではなく弱さでないかと少し思う。
 

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