混迷の始まり
総選挙の結果は(予想通り)自民公明が過半数を割り、今後の政局の混迷が心配だ。自民が敗北、立憲民主が勝利と言う人もいるが、実態は自民が191、立憲が148、未だに自民が第一党だ。
今後30日以内に国会が開かれ、衆議院で新首相が選出される。その際、最初の投票ではすべての政党がそれぞれの党首名を書くから、誰も過半数を得られない。とすると1,2位の二人で決選投票となり、自民の石破氏と立憲の野田氏の争いになる。
決選投票の票読みをすると、石破氏は自民、公明の215票に無所属の7票を加えて222票、過半数が233票だから11票たりない。従ってその他すべての議員が野田氏に入れれば、野田首相が誕生する。キーポイントになりそうなのは維新の38票と国民民主党の28票、このいずれかが石破氏に入れれば石破首相が継続する。政策的には、自民よりとも立憲よりとも言い難く、予測がつかない。当面国会開催までの30日間、政党間で活発に駆け引きがありそうだ。個人的には石破首相が継続するのでないかと予想するが・・・・どちらに転んでも不思議ではない。
仮に石破氏が選出された場合、国民民党が自民との連立内閣を選択し、自国公政権を形成すれば、250人程度を確保するから、まあまあ安定した運営ができる。しかし、国民民主党が参加しなければ(多分参加しない)、政局は不安定なままだ。一方、野田首相が誕生した場合も同様に過半数を確保できないだろうから不安定極まりない。新年度予算案も通らず、混迷を極めることになるのではないか。
今回の選挙結果を、微妙なバランスのいい選択だ、という向きもあるが、私は、混迷の始まりのような気がする。今後の政党間の諸々の駆け引きの結果、間違って消費税減税などに走り、財政赤字に拍車をかけて、ハイパーインフレになるなど、絶対に勘弁願いたい。