アヤメ園
200x年の初夏、新潟時代の日記が続きます。
一昨日の日曜日、天気がいいので、
新発田の五十野(いじみの)公園のあやめを見に行こうと、
午後からお出かけとなった。
新発田から五十野公園の入り口までタクシーで行く。
地方都市の例に漏れず、新潟も車社会で、
殆どの人は、マイカーで来ている。
入り口の直ぐ右手が総合スポーツ施設になっており、かなり広い。
左手は周囲一キロほどの池で、
正面に遊歩道があり、奥のアヤメ園に向かっている。
遊歩道の入り口に、ボランティアらしき女性が数人いて、
一人100円の寄付を、徴収している。
かわいい物だと思い、二人分200円を箱に入れると
公園の案内の書かれた紙を渡してくれる。
池を左手に見ながら遊歩道を進む。
水面のあっちこっちに、緑の葉が浮かび、その合間に、
黄色い花が、まっすぐ顔を出している。
河骨(こうほね)という睡蓮科の花で、蕪村が
「河骨の ふたもと咲くや 雨の中」 と読んでいる。
池を過ぎて、更に10分ほど歩くと、アヤメ園に到着。
遊歩道に囲まれて、あやめが畑の野菜のように、一列毎に品種を変えて
植えられている。
畑は、微妙に高さの違う、段々になっており、
段毎に水を導く側溝に囲まれている。
周囲は赤松の群生する山の連なりで、谷間を開墾した棚田といった感じだ。
遊歩道の外側には桜が植えられ、松と桜、硬軟の新緑が眩しい。
来場者はいつもの如く、おばさんグループが目立つ。
男女のペアもちらほら入るが、老若それぞれバランスが取れ、
怪しげなペアは見かけない。
あやめは、300種類、60万本とのことだが、まだ二部咲きとか。
それでも、色とりどりの花が列毎に咲き、華やかな光景だ。
特に、濃紺の花が監視人殿のお気に入りで、
これを背景に写真を何枚か撮る。
一角に小さな湿地があり、こちらは普通の睡蓮で、
葉っぱの間からピンクの花が突き出ている。モネの世界だ。
ベンチに座り、一休みすると、柔らかい風が頬に当たり、
桜の新緑が、日差しを受けてきらきらと輝く。
あやめ園を後にして、池の反対側の遊歩道を歩くと、
土手に赤松の子供が一面に生えている。
監視人殿が、5センチ足らずのものを、3本抜いて、
お持ち帰りしたが、どうなるのか。
出口手前に公園の管理事務所兼物産展兼レストランがあり、
前庭が池に面し、テラスになっている。
ここでコーヒーを飲みながら一休みする。
すると、女性が3人かかりで、車のついた台車を押してきて、
ヨイショと、重たそうに事務所に運び込む。
よく見ると、100円の寄付金を入れた箱を運んでいる。
5時を過ぎたから、寄付集めは終了なのだろう。