Vsingerとして活動されている椎名かいねさんが主導し「キネマ灯篭倶楽部」により制作されたノベルゲーム「ひとつなぐものら」をご存じだろうか。YouTubeに印象的なCMが公開されているのでそちらを見てもらいたい。(https://youtu.be/6KVe5MwzfxE?si=3Y_fKwIrIQ-2i_2s) 先日リリースされたこのゲームは、歌手・イラストレーター・声優と、椎名かいねのマルチな才能と熱意が存分に発揮されており、気鋭のクリエイターが織りなす幻惑的な世界観
あなたは「project SEKAI COLORFUL STAGE feat. 初音ミク」――通称をプロセカと言うゲームを知っているだろうか。2020年よりサービスが開始されたプロセカは、初音ミクを起点とする音楽表現の潮流を汲んだ、現代を代表するリズムゲームだ。数多のヒットソングや書き下ろし楽曲を手軽に演奏することができる。 プロセカの特筆すべきは、”私たちと共に”現代を生きるキャラクターたちと、彼らが織りなす物語の、その親密さだ。 プロセカのキャラクターたちがそれぞ
その夏いちばんの入道雲が、空に青々もくもくと、勝手気ままに腕を広げて、王国をそっくり飲み込んだ昼下がりのこと。 わたしたちの人魚姫が泡と消えた。 第二王立公園の大水槽を泳いでいたはずの人魚が、いつの間にか忽然と姿を消したというその報せは、サイレンの絶叫と共にもたらされた。緊急放送に耳を傾けた人々は、瞬間、こう考えた。あぁ、ついにわたしたちの人魚姫が、泡になってしまわれた、と。 鼓笛に興じていた貴族たちから、宿屋で帳簿を捲っていた老主人、果ては城下の溝をさらっていた浪人
これは、2020年の夏、コロナウイルス流行の最中で、本を読み街を歩くことに明け暮れていた一人の学生が「せっかくだから、この暮らしのことを文章にしておこう」と思い立ち、「エッセイって思っていたより書くのキツい・・・すこし寝かしておいてあげよう、まだ眠そうな顔しているもの」などと宣い挫折した、その記録です。#2が書かれる日は来るのか、わたしにも分かりません。文章についても、この頃ハマっていた「悪漢っぽい喋り言葉」の影響を受けすぎていて、見るに堪えません。まったく、恥ずかしい。