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「数学なんて何の役に立つの?」と戦う方法

「数学なんて何の役に立つの?」
「将来に役に立たないのでは?」

こういった疑問は、特に学生だった頃や数学を教えていた頃に たまに遭遇するものでした。
この疑問について、面白半分に屁理屈を捏ねてみました。

昔、「詭弁の特徴ガイドライン」というのを見たことがあります。
あれが面白かった人には刺さるかもしれません (私です)

疑問への応答

やや数学に偏っています。
回答としては成り立っていないものもあります。

まずはこれ。

質問「数学なんて何の役に立つの?」
⇒応答「数学の役に立つ」

そりゃそうだ、というやつ。トートロジーっぽい。

以降も全体的に偏屈な答え方が続きます。
数学のせいではなく私がふざけているせいです。

どんどん羅列していきます。

質問「数学なんて何の役に立つの?」
⇒応答「今、役に立つ」
⇒応答「その質問に答えるために役立つ」

自己言及的な感じ。

質問「数学なんて何の役に立つの?」
⇒応答「「数学なんて何の役に立つの?」と言う質問は何の役に立つの?」

再帰的な感じ。対立的で嫌われそう。

質問「数学なんて何の役に立つの?」
⇒応答「役に立たないとすれば、役に立つもの全てが数学とは無関係ということになる」

対偶っぽい。
「数学は役に立たない」=「役に立つなら数学でない」

質問「数学なんて何の役に立つの?」
⇒応答「役に立たないわけではない」

二重否定。どこか穏便な印象。

質問「数学なんて何の役に立つの?」
⇒応答「役に立つ場合が少なくとも一つ存在する」

存在記号∃っぽい言い方。

質問「数学なんて何の役に立つの?」
⇒応答「全てに役立つ」
⇒応答「どんなことにも役立てることができる」

全称記号∀っぽい言い方。大きく出てしまった。

質問「数学なんて何の役に立つの?」
⇒応答「まずは「役に立つ」の定義をしなければ答えられない」
⇒応答「「役に立つ」を定義することに役立つ」
⇒応答「「役に立つ」かどうかを考えるために役立つ」

演繹的な感じ。
「じゃあやってみてよ」ってなりそう。

質問「数学なんて何の役に立つの?」
⇒応答「役に立つ例をこれから100個挙げる」

帰納的な感じ。

質問「数学なんて何の役に立つの?」
⇒応答「役に立つから存在している」

逆行推論っぽい。

質問「数学なんて何の役に立つの?」
⇒応答「英語が役に立つのと同じ」

類推っぽい。

質問「数学なんて何の役に立つの?」
⇒応答「数学が役に立たないと仮定すると矛盾する」

背理法っぽい。

質問「数学なんて何の役に立つの?」
⇒応答「それが分からないのは数学が足りないからだ」

相手の主張が自己矛盾していると主張。

質問「数学なんて何の役に立つの?」
⇒応答「数学が役に立たないことを証明してください」
⇒応答「数学が役に立たない事例を言ってもらえれば反例を挙げます」

悪魔の証明っぽい。

質問「数学なんて何の役に立つの?」
⇒応答「”数学は何の役にも立たないこと”を分かるために役立つ」

自虐的だけど、たしかに役には立っている。

質問「数学なんて何の役に立つの?」
⇒応答「役立つかどうかはともかく役立つ可能性はある」
⇒応答「この世界では役立たなくても役立つ世界は存在する」

たしかに可能性はゼロじゃない。
多世界解釈とか可能世界とかみたいな。

ここからはちょっと毛色が変わる。
数学から離れて日常的な感じに。

質問「数学なんて何の役に立つの?」
⇒応答「それはよくある疑問で、そう言う人には数学が苦手な人が多い」

とりあえず傾向を伝える。

質問「数学なんて何の役に立つの?」
⇒応答「でもアンタ数学できないじゃん」

ド直球な人身攻撃。

質問「数学なんて何の役に立つの?」
⇒応答「偉い人が役に立つって言ってるから」

権威を盾にする。

質問「数学なんて何の役に立つの?」
⇒応答「日本の教育システムに対する反逆だ」

反逆者だと決めつける。

質問「数学なんて何の役に立つの?」
⇒応答「でも皆やってるよ?」

多数を味方にする。

質問「数学なんて何の役に立つの?」
⇒応答「え? なに? もう一度言って? え?」

おじいちゃん戦法。

最後はこれ

質問「数学なんて何の役に立つの?」
⇒応答「何の役にも立たない」

結局、白旗が最強かもしれない。

おわりです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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