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夜も自動販売機は休まない。夜に休息が訪れることもない。一息もつけない。うまく笑えない

・もったいなくない?

風が強い。どこか磯の香りがほのかに。匂う。ここは横浜。港町横浜。先日、横浜にきた。友達に紹介されたすごく美味いと噂のラーメンを求めて。お店に近づくなり、すぐにそれが人気店であることが分かった。行列だ。まあまあ並んでいる。数にすると、まあまあ。レボルバーで全員殺すのであれば、2、3回のリロードが間違いなく必要になる量。それくらい並んでいる。20分ほど待つと、店内へ入れた。そこから5分。自分の卓へこだわりラーメンが届いた。おいしそう!思わず声に出そうになるところをグッと堪えて、心の中で拍手。まだ食べていない。心の中の手が疲れたので拍手をやめ、現実の手で箸を握る。いざ食べようっと思った時に、そこで気になったのが、隣のお客さん。おじさん。コロナ禍ということもあり、カウンターでも隣との間にはアクリル板がかましてあるが、食べる姿はまるみえ。その人は俺よりも先にラーメンを食べ始めていた。その食べる姿勢というのが、箸を右手にスマホ左手にずっと麺をすすってる。ラーメンには目もくれず、まさにスマホ注視。あいにく両手が埋まっているので、器に手を添えたりもない。ちなみに、ここは結構並ぶこともある横浜のこだわりラーメン屋。こだわりの家系。しかし、彼はまるで気にしない。卓上にあるこだわりを全てスルーするようなラーメンとの対話の仕方である。食後に、ラーメンの色は覚えてる?と聞きたくなるほど、ノールック。頑なにスマホを見る。すこし気になり、背筋を伸ばし、過度なストレッチをするふりをしてのけぞり、スマホを覗くと、彼がみていたのは。Twitterのトレンド。
がっかりした。100歩譲って、Twitterのトレンドに関連するお仕事をされている方なのかもしれない。けど、あの姿勢はやりすぎに感じる。いったん仕事やめよう。せっかくラーメン並んだんだしさ。愛がない。愛がないよ。あの食べ方なのであれば、ハンバーガーでもチキンライスでも味はおおむね同じだろう。たまたま、俺と隣では頼んだラーメンが同じだったけれども、俺のラーメンのほうが美味かった自信がある。絶対に俺の方がうまかった。味は見た目、雰囲気、音、温度、食器など、これらで0にも100にも化けるものである。つまり、彼ははなからラーメンなど食べてはいない。あれでは食べたことにはならない。結果的に、いつもと同じように10分後には変わるであろうTwitterのトレンドを貪ったのだ。行列に並んで、かわいそうに。
けど、食べ方も自由か。俺が牛丼に紅生姜を山ほど入れるように。なぜか、葉山で飲む珈琲が美味しいように。ラーメンにトレンドという最高のスパイスをかければ格段に美味くなるのかもしれない。今度試してみようと思った。

・香ばしい香り

誤飲した。最悪。誤飲はマジで最悪。きっっっつい。こんなにでっかいキャベツを誤飲した。おそらく、絶対に入ってはいけない箇所へ見事に入った。大きいキャベツだったので絶対にでてこない。咳が止まらないので、もしかすると、心臓や肺といったベリー重要な器官に入ったのかもしれない。少し不安になる。誤飲したキャベツが2度とでてこない自信だけはみなぎる。もし、俺が死んだ後、火葬場で俺を焼いたら、きっと焼きキャベツの香ばしい匂いするだろうな。ってことは死ぬ直前に、生鶏肉を誤飲すれば、火葬時に、すっごくいい匂いな炭火焼き焼き鳥の香りで火葬場の職員をメロメロにできるかもな。人生1回だし、死ぬ前にやってみよう。

・お前は大丈夫。

お湯がなかなか出ない。給湯システムがつぶれている。この前なんかは3時間水のままだった。それなら、手洗わなくてもいいじゃんと途中からは考えていた。けど、このご時世だし、それはよくないという気持ちもある。絶対に手を洗わないと。お湯が出ない苦しみとそれでも手を洗わなきゃという苦しみのジレンマの中で、俺ってめっちゃアホだな〜と思った。だって、お湯を3時間も待ってるんだぜ?ここまでアホだったら、多分コロナもかからないとおもうよ。誰かにそういってもらうまで、彼はお湯を待ち続けるのだろう。

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