「自然」への考察22/10/24

物を持つ、ということは必然的に反自然になる。
反自然すなわち反重力性。
物を持つということは、その物にかかる重力に逆らうこと。

そのため物を持つ、という時点で人間の「思い上がり」が発生する。
人間の、自然を支配したい欲求の始まり。

日本人が「物を大事に」という心持ちを大切にするのは、この「思い上がり」を戒めるためなのではないか。

物を置くのに音を立てるのか、静かに置くのか。そこには明らかな身体性の違いが現れる。
静かに物を置くためには、その物と繋がるためのシンパシーが必要であり、そのために必要なからだの動き方と心の在り方がある。

雑な身体の使い方、荒い心持ちだと必ず音を立てることになる。

伝統的な文化や行事における作法があれほど静かなのはこういう意味があるのではないか。

物との繋がりは自然との繋がりそのものなんだと思う。

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