最近の記事

ライク ア 雑草

上京して約1年。年始以来、半年ぶりの帰省だった。 実家には祖父母と母の3人が暮らしている。 祖父は以前から病気をしている。その辺の詳しい状況については、以下に書いてある。 (ちなみに、この祖父日記という試みはぴったり3日坊主で終わった。半年後に上京することを考えると、かけがえない日々の記録をちゃんと続ければよかったと思うが、後悔先に立たず。) 調子は、この1年で調子が徐々に悪くなっていると聞いていた。 私が帰省した日の前後は特にひどくて、介助無しではトイレにも一人で行けない

    • 背景、無臭の世界より

      コロナにかかって、嗅覚が消えた。 消える消えるとは聞いていたものの、まさか本当に消えるとは。 ちょうどコロナにかかる前日に、誕生日プレゼントとしてビュリーのボディオイルをもらったのだが、ジャスミンとローズの芳しい香りを堪能できたのはたった1日だけだった。 発症当初は、たしかに匂いを感じていた。 コロナといえば、困った症状としてよく話に上がる味覚・嗅覚の消失だけども、その辺りは平気でよかったなあとベッドの中で寒気と戦いながら考えていたのだ。 異変に気がついたのは、高熱や喉の痛

      • 欠陥人間

        2019年、軽度のうつ病と診断された時に書いていた文章を発見した。(今は回復して、元気です) 当時は自分のことを、病気じゃないのに甘えているだけの人間だと本気で思っていたけれど、こうやって過去に書いた文章を読んでいると明らかに病んでいるように見える。 もしこれを読む人で、同じような状況で、同じように自分を追い詰めている人がいたら、ここに書いてあることに共感したのだとしたら、あなたは休んで良い。甘えているだけのダメ人間だなんて、どうか思わないでほしい。 当時の私に、そして当時

        • 祖父日記 3日目

          ・今日も特に会話らしい会話はしなかった。一階と二階で分かれて暮らしているとこんなもんである。 ・祖父が机に向かっている姿を遠くから見た。何をしているかまでは見えなかったけど、読み物や書き物が好きな人なのだ、と改めて思う。私も日がな一日机に座り、本を読んだりパソコンを弄ったりしている。こういうところが遺伝なのかも。

        ライク ア 雑草

          祖父日記 2日目

          さっそく書くのを忘れていた。2日目の分です。 ・祖母が出かけるというので、どこに、と聞くと、祖父を床屋に連れていくと言う。床屋に連れていき、三十分後くらいにまた連れて帰ってくるのだそうだ。そうか、祖父も髪が伸び、それを定期的に切りに行っているのだということに気がついた。当たり前のことだった。生きている。

          祖父日記 2日目

          祖父日記 1日目

          はじめに 祖父と暮らしている。正確にいうと、祖父母と、母と、2階建ての家に4人で暮らしている。ペットはいない。1階が祖父母、2階が母と私。 それなりの年齢のくせ実家暮らしというのは、親に甘えているという消極的な理由も勿論あるけれど、家族が好きだ、というのも大きい。女手ひとつで育ててくれた母と、親のように私の面倒を見てくれた祖父と祖母。私は家族と、家族と暮らす家が好きだ。 そんな大好きな家族のひとりである祖父が余命宣告を受けたのは、二年ほど前のことだったと思う。大分前の話で

          祖父日記 1日目

          うごくメモ帳を黒歴史と呼びたくない

          小学5年生の頃だったと思う。 スマートフォンや携帯電話など勿論無く、親のパソコンもほとんど使わせてもらえないわたしにとって、ニンテンドーDSiは、唯一自由にインターネットを利用できる機械だった。 当時のわたしは、あの画面が見辛く、通信もやたら遅いDSiを駆使して、日夜インターネットの海に飛び込んでいた。 そんなわたしが何よりハマっていたのは、『うごくメモ帳』という無料で遊べるお絵かきソフトだ。 タッチスクリーンを使って絵を描いたり、パラパラ漫画のような手書き動画を作ることが

          うごくメモ帳を黒歴史と呼びたくない