だけ

買っただけ

飾っただけ

書いただけ

触っただけ

聞いただけ

受けただけ

決めただけ

言っただけ

だけばっかで困っちゃう。

「頑張ろう」って大声で
夢を誓った五日後には
夢の国へと眠りに落ちていく

口だけ星人で参ったな。

全部が全部
中途半端。

なんとなくふれた瞬間
満足して辞めてしまう。

辞めずにずっと続けていることといえば
2歳から習っているピアノだけ。
けれどそれも長く弾いているからといって
技術があるわけでもなく
成長した訳でもない。

発表会の舞台に立ったことがあるのは
18年生きて指で数えられるくらい。
ドレスを着たのは3回だけ。

コンクールにもでたことないし
クラシックはまともに弾けない
「何か弾ける?」って聞かれても
答えられない。曲を知らない。
本当に、情けない。

いつもさわる「だけ」なんだ
だっていつもそれだから
ずっと弾けるようにならないんだ

こんな僕が弾いてていいのかな
不安になる。
けれど大好きなピアノが傍に有るだけ
それだけで僕の生きる意味になるんだ

あぁ、結局は「だけ」なんだな
情けない。

弾けなくてごめんなさい。

傍にいる「だけ」続ける「だけ」

そうだね。そうだよ。

ダサい。

上手くもない。綺麗でもない。
素敵でもない。
そんな音。けれど
狂って壊れたこのピアノを、ずっと弾いてきた僕の指はね、もう君を弾かない人生なんて考えられないって言ってるの

ダサいかな。

君を捨てたら僕に何も残らなくなるから
とりあえずでいいの
そこにいて欲しいの

僕のものであって欲しい。

…ダサい。

無くなることが怖いだけなんじゃないかな。
ってそう思った

考えることが怖くなって
いつまでも上手く弾けないのが嫌になって

大好きなピアノを大嫌いって言って
弾かなくした。

大嫌いはピアノじゃなかった

情けない自分のことだった。

大嫌いっていってごめんね

「下手くそだな」って言って笑って?

狂ったその音で僕の耳を刺して?
壊れた鍵盤で僕の心を切り裂いて?
伸びきった僕の爪。
訛ったこの手を、指さして

僕のこと、叱って頂戴?

中途半端に終わっちゃう

口だけ星人の僕をさ

笑って吹き飛ばして欲しいのよ。


お願いがあるのです。

おばあちゃんになるまで、ずっと
この指で、この手でずっと
君のことを弾かせてください。

「だけ」ばっかりで参っちゃう
傍にいるだけの僕のこと
口だけ星人の僕のこと
ピアノが弾けない僕のことを

許してください。

下手でもいいよ。傍にいていいよ。
ってきっと言って欲しかった

僕がしわくちゃのおばあちゃんになっても
君のことをずっと大好きでいさせてね。













#中途半端
#ピアノ
#大好き

ーー


毎度毎度何を言っているんだろう自分は。

終わらせ方わからなかった

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