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【現実回帰】メンタルヘルスで一番知って欲しい区別「変えられるものは変えていき、変えられないものを受け入れる」

あなたは「変えられるもの」と「変えられないもの」の区別ができていますか?

この区別は、自分自身の体験を通して『メンタルヘルスの回復や維持において非常に重要なポイント』だと気づきました。

この区別ができないと、自己否定や過剰な自己受容、もしくは無理な自己改善に陥り、心の迷宮に迷い込むリスクが高まります。

実際自分自身が区別できていなかった時は、大迷走を引き起こしました。

今回の記事は、スピリチュアル界では得られない視点、「変えられるものを変えていき、変えられないものを受け入れる」についてまとめていきます。


ニーバーの祈り:変革と受容のバランスを説く神学の教え

アメリカの神学者ラインホルド・ニーバーをご存知ですか?

彼は人生の中で変えられるものと変えられないものを見極め、そのバランスを取ることが精神的な安定と成長に不可欠であると説きました。この教えは、「ニーバーの祈り」として世界中で知られ、自己受容と改善の関係を見つめ直す指針を与えてくれています。

神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。

変えるべきものを変える勇気を、そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えてください。

ラインホルド・ニーバー

私のマガジンを読んでくださっている方はお気付きだと思いますが、下の記事で触れたメンタリストDaiGoさんの「変えられるものは変えていき、変えられるものは受け入れる」という言葉です。

あの言葉はニーバーの言葉だったんですね。(↓気になる方は全文無料で読めるのでチェックしてみてくださいね)

この祈りは、一見シンプルですが、深い洞察が込められています。

私たちが人生の中で直面する問題には、変えられない事実や状況があります。それに対して抵抗したり否定することは無意味で、本質を見失い迷走する原因になります。

しかし、一方で、改善の余地があるものには勇気を持って取り組むべきです。ここで重要なのは、何を受け入れ、何を改善するかを見極めること。受け入れるものと改善するものを区別していくことです。


スピリチュアル界隈における曖昧な受容とそのリスク

スピリチュアルな実践では「全ての自分を無条件に受け入れる」という考え方が主流ですね。これは自己否定からの解放という一面では有効なアプローチです。

多くの人が「自分はこうあるべき」という理想に縛られ、結果的に自己嫌悪に陥っている中、変えられない自分の特性を「そのままで良い」と認識することで、精神的な負担が減ります。

しかしながら、感情や性質と行動や思考の区別をあいまいにして発信しているスピリチュアル指導者が多いのです。

以下、私の感じたリスクを挙げてみます。


行動の責任が軽視される

「私はこう感じるのだから、そのままの行動で良い」という考えに留まっている人が目立っているのが、スピリチュアル界です。そうなってしまうと感情に基づいた衝動的な行動が許容され、これが周囲との摩擦や人間関係のトラブルを引き起こしはじめます。

現状としては、自己中心的な行動をする人が悪目立ちし、スピリチュアル界隈は世間から敬遠されているのが現状です。

先ほどのリンク「迷いから学びへ。アラフォー主婦のメンター依存体験談」に、いくら見えないからと言え、ツイキャス中にチョロチョロと立ちションをした自称涅槃の指導者のことが書いてあります。

信じられないでしょ?でもそこまでいく人は吹っ切れていて、何をやっても許されると勘違いをし、自信に満ち、そういうことが実際に起こってしまうのですね。

スピリチュアル界では、無条件の受容が強要され「どんな行動をしても受け入れてもらえるという期待」が存在します。そして「それを受け入れられないのは精神が未熟である」という呪いの心理的操作が水面下で蔓延しています。


ありのままだけでは成長が停滞し、社会に適応できなくなる

「ありのままで良い」というメッセージが行き過ぎ、その領域で留まってしまうと、改善の必要性を見過ごしてしまいます。

人は社会との関わりの中で成長し続ける存在です。適応と進化を放棄すると、周囲との協調を欠いた孤立した生き方を招き、多くの場合問題が生じてきます。

本当に自分がそういう在り方を望んでいるのか?を問う必要があります。

嫌だという気持ちが少しでもあるのならば、それなりの適応力を多少頑張ってでも身につけていくほうが幸せになれます。なぜなら自己効力感がどんどん下がっていってしまい、元の木網なのです。


感情を受け入れることと、表現することは別問題

感情の受容を誤解して、どんな感情でも無条件に表現して良い!!と捉えることは危険です。

感情そのものは自然なものなので受け入れるべきですよね。怒り・不安・喜びなど、どんな感情も自然なもの。自分が何を感じているかを認識し、受け入れることは心の健康にとって重要です。

しかしその表現の仕方には配慮が必要です。どんなに強い感情でも他者への影響を考えずに表現することで、対人関係で誤解を生んだり、不必要なトラブルを招くことになります。


科学的アプローチ:感情と行動の区別と改善の必要性

スピリチュアル界での教えは非常に曖昧であり、全てを受け入れるという一緒くたの考え方に陥り迷走してしまうのがわかりましたね。

では科学的アプローチで、変えられるものと、変えられないものの区別を明確に説明していきましょう。

変えられないもの:性質や感情(自己の本質)

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