がいなおかあ(2)もらったお土産を目の前で捨てる母
「がいな」とは四国地方の方言で
「強い」とか、「大きな」とかいう意味。「気が強い」という意味でもつかわれる。
四国のとある田舎で育ったわたしの実母は、現在、81歳。
気が強くて勝ち気でジコチュー、そんなお母(おかあ)のあることないことを、思い出すまま気の向くまま、灰汁(あく)と嫌味と少しの愛を入れ混ぜて、この場所に綴ってみた。
「ぶさいくやないか」
「どこがいいん?」
三男の好きなミュージシャンを
貶す(けなす)おかあ。
これは数年前の帰省時の出来事だ。
孫が好きやというのなら、
「へぇー」
くらい言ってやっておくんなまし。
おまけに三男がおばあちゃんにと買ったお土産のキーホルダーを、たった
一年、財布につけただけで、
「なんやこれ、いらんわ」と唐突に、そして無惨に、ほいっとポイっと捨ててしまう。
誰にもらったのかも綺麗さっぱり忘れたらしい。
目の前でごみ箱行きになったお土産は、優しく感受性の強い三男の心を、ズタボロにしたのは言うまでもない。
家族の誰が作った料理でも、ご自分のご機嫌に合わせて、
「こんなもん食べれん!」
と器をバンっ。
まぁこんだけ自分の気持ちに正直ならば、ある意味羨ましいくらいだわ。
近所の丸々さんが嫌いであれやこれやと愚痴を聞かされるんだけど
ピンポーンの玄関チャイムと共に丸々さんが大根くれた時、
ガラッと気持ちを切り替えた母。
「うわ、ありがとう。嬉しいわ。いつも気遣いくれて、ほんま優しい人やねぇ」
女優バリの演技力だ。
そんな出来事があってもなお、また帰省しようと思うのは何故だろう。
それは、きっとこの人は、類いまれなる未知の能力を持っているからに違いない。
To be continued
#女優バリのその演技 、家族につかってもらっていいですか?
#わがまま (我がママ。マイマザー)
#もらったお土産 、目の前で捨てるなんてどうかしてるっしょ
#灰汁 (アク)は捨てなきゃやってらんないわ
#超ジコチュー母 、えっ?娘のわたし、その血いりません
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