【ラダー補修01】寒い中エポキシ三昧
ラダー(システム)と言うか、ラダーブレードですな、今回補修するのは。
日本語では何と?舵板??
とにかくトップにある写真の、舵の板の部分の傷を補修します。
積年の酷使、台風予報の度に取り外した際の移動等で、リーディングエッジを中心に傷が結構あります。
そして今回直すに至る決定打となったのが、
抉られたようなクレバス様の傷、ガラス繊維が剥き出しに。
(関係無いですが、「クレバス」は俳句では夏の季語ですわ)
プロペラシャフトを曲げた原因となった何か(多分木材?)が当たった跡です。
これを埋めるついでに、他の傷も綺麗に直すぞー!の、今回は第1回目。
樹脂・パテ・塗料の硬化や乾燥待ちがあるので、一回でバーン!と作業出来ないのが残念ですが、ちょうど今のタイミングはプロペラシャフトの修理で時間がかかりますので、この機会にやっつけます。
作業予定は以下の通り。
気温の高い夏なら化学反応も早くってサクサクと作業も進みますが、今の気温は
キャビンで摂氏6度弱、作業場所は午後にならないと日が射さない日陰の場所。
しかも外は嵐のような強風でアクアラインは通行止め、東京湾フェリーは欠航と言う大荒れの天気。
海は
ウサギが何百羽も。
この写真撮ってる間も潮が強風で顔に飛んでくる始末でしたわ。
とは言っても、作業は進めますよー!
その前に…
開口部の異様に大きいウチのキャビンでは寒すぎますので、この冬初めてトノカバーを付けて…
そしてFFヒーター始動!
ついでに、
ヒーターのダクトでコーヒーなんか保温したりしつつ、キャビンでウダウダして体をホカホカにします(海女さんの冬の番屋みたいな使い方のイメージ)。
(体が)芯まで温まったらヒーターはオフ!(どうせキャビンでの作業じゃないし)
外作業を開始しますよー。
◼️下地の研磨的な作業(磨くとは言ってない)
#80のサンドペーパーで、
ブレードのトレーリングエッジ部を最初はそのままガシガシやってたのですが、「あれ?このままでは
リーディングエッジが作業出来ない(事は無いけど非現実的)」と言う事に気がつきまして(当たり前)、
ヨット本体と別離。
ヨットの方は
こんな風に身軽な感じに。
プロペラやシャフトにアクセスしやすくなるし、いいんじゃ無いでしょうかね?(近々にシャフトを抜くし)
ブレードはこの間から置きっぱなしになっているオイル交換セットの箱
の上に養生マットを敷き、
そこにドーン!と置いて、
各部、主に縁部《エッジ》をサンドペーパーでガシガシ。
ガシガシする意味は船底塗料を剥がすことと、傷で出来た凸部を削ることと、表面を適度に荒らし、今から盛る樹脂の食いつきを良くするため。
サンドペーパー作業後に軍手を見ると
当然真っ赤。
ふふふ、こんな風になる事なんかわかってたわ!と思って軍手をとったら、手も真っ赤になってた… それは想定外でしたわ…
◼️傷を切開
例の大きな傷は
クレバスにドライバーを突っ込んで、浮いた部分を折り取りました。
なぜなら、この隙間の奥まで樹脂をしっかり詰めるのは面倒そう。
それより作業野を開けた感じにして、樹脂で補完した方が楽っぽいじゃないですか?
鉱山を閉山する時に、入り組んだ坑道を埋めるより露天掘りを埋める方が楽な気がするし(って鉱山を閉じるからって、埋め戻しはしないか?知らないけど)。
◼️綺麗に拭く
全周サンドペーパーをかけたら、次にイソプロピルアルコールと雑巾で、
綺麗に…
拭いて汚れ取りと脱脂をしてやりました。
これで(いい加減ですが)下地の準備は完了、次はメインの樹脂盛り工程です。
◼️樹脂を盛る
このエポキシ樹脂を…
ハンディ作業台の上に出して、硬化剤と混ぜてやって…
表裏のあらゆる凹んでいる部分に盛ってやります。
どうせ削るんだし(盛った樹脂は)痩せるから、山盛り気味で。
今回は深い傷とかは無いのでクロスは使っていません。
ここで今日の作業は終わりなんですけどね、ある程度硬化の経過を見届けたいので別の細かい作業をします。
◼️別の細かい作業(あるいは暇つぶし)
コクピットロッカーを開けると蓋の裏側には本来ハンドビルジポンプのハンドルがホルダーで固定されているのですが、先日ロッカーを開けると…
セルフタッピングスクリューで留められたホルダーの片方が取れていました。
これを再び付けるのに、まずは…
固定のメインはタッピングスクリューなのですが、補助的にシリコンっぽい何かででも接着されてる感じでしたので、カーボンヘラでこそぎ落としてやって…
サンドペーパーで表面を荒らして…
今度はエポキシ接着剤の出番です。
ハンディ作業台にちょっとだけ出して…
練って…
それを穴に突っ込んで…
外れたホルダーをくっつけてやります。
この状態で小一時間もすれば、新しいネジ穴として硬化してくれるんじゃないかと。
そもそも、セルフタッピングスクリューを使うってなんだよ。
自分でヨットを建造していいなら、タッピングスクリューは全面的に禁止するわ!
ネジ山、ボルト、ワッシャー、ナット最高!
◼️放置する
上の作業を終えた後、キャビンの片付けをしたりコーヒーを飲んだり。
ああ、そう言えばコーヒー飲みながらエポキシのパッケージの裏を読んでいると…
用途にヨット(ダジャレではない)と書かれています。
ここにヨットと書いてて「そうか!じゃあ買おう!」って人なんかいるのか?
まぁいいや。
で、ラダーを見に行きますと…
うん、そんな気はしてた… むしろ確信していましたが、つららが出来てました。
出っ張った部分は削れば済みますが、凹んだ部分が埋められていないと困ります。
とりあえず天地をひっくり返し、今日はこれ以上作業の進捗は見込めないのでマジックで
言い訳を書いて放置。
次回は盛った樹脂の凸部の切削・整形と言う一番楽しい作業。
残った(埋めきれていなかった)凹部があれば、パテを盛って再度山を作り、そのまた次回に切削・整形をします。
◼️作業の反省点
その1
そもそも今回使ったエポキシのチョイスが失敗。
前に使ったHoltsのグラスファイバーパテが硬化時間が早く(30分もかからない)、中に繊維が入ってたし、硬化前の硬さ(作業性)もちょうど良く最高だった。
あれは切削性も良かったなぁ…(今日使ったやつはどうだろ?次回に判明)。
値段もHoltsの方が安いのに「なるべく国産メーカーを使おう!」と言う気持ちが仇になりました、愛国心の無駄遣いだったわ。
その2
後先考えずに気軽に作業を始めたら、実は意外とラダーブレードの大きさと重さを持て余しがちに。
簡易の作業ドーリー(グライダーの主翼を運搬するようなやつ)みたいなのを作って、それに固定して作業するべきだった。
そう言うのがあるとマリーナに置きっぱなし状態でもだらしなく見えないし、なにしろひっくり返す時とかや、今後行う塗装工程でも楽だし。
ラダー補修02へ続く