【ホームハーバー引越編02】【惰話】人力では無理な事がわかった船台と蟲の事
ホームハーバー引越編01からの続き
さて、結局は最初に(最後とも言います)見学した… つまり他のマリーナを見もせず城ヶ島ベイマリーナへの引っ越しを決めたわけですが、そのままヨットをホイホイと乗って行ってもですよ、向こうには私の船台がありませんので、おそらく… いや、間違い無くマリーナのスタッフに
「え?お前このヨットどうすんの?」
って冷ややかな視線を浴びるだけです(そりゃそうだ)。
つまるところ、船台を持って行かないといけません。
つまるも何も、当然ですが。
やはり車でしょうなぁ、輸送方法は。
(ホームハーバーからは)近くて遠い城ヶ島。
車ですと、
アクアラインを経由し、ぐるっと回って行くか、あるいは
東京湾フェリーで行けばもうちょっと(運転距離は)短い。
行程のうち40分はフェリーなので、その間快適ですわな。
その代わり、(調べてないけど多分)アクアライン経由よりも若干コストがかかります。
どちらもかかる時間は同じくらいですが、フェリーは1時間に1本なので、そのタイミングによっても移動時間は大きく異なるでしょうな。
他に輸送手段はないかなぁ?と考えると、あるじゃないですか!
自分のヨット、または友人からボートを借りて自力で持って行けばいい。
「海運王に俺はなる!」
とりあえず海運王への第一歩として、ヨット(か友人のボート)に船台が載るのか考えます。
「あれ?船台の大きさってどれくらいだ?3〜4mくらい??」
自艇の写真を見ても今一つピンときませんので、計測しに行くことにしますわ。
幸な事に、運搬手段(候補)であるヨットも船台の上に載っていますし。
載せていた物に載せられる。
まるで「負うた子に教えられる」みたいですなぁ。違うか。
題して、リバース積載海運大作戦。
例によって、夜明け前からマリーナへ。
時間があれば、ちょっとヨットを出してやろうと言うハラです。
マリーナでは、マスコットのアオウミガメが今日も元気に餌をくれと言っています。いや、アオウミガメじゃなくてミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)ですけどね。
でも、すぐそこに海があるんだし、昭和初期くらいまでは緑色の事をアオって言ってたんだから(←青信号とかアオダイショウとかはその名残り)、これもアオウミガメでいいだろ。
ま、カメはいいとして、早速計測をしますよー。
キャビンのツールボックスからレーザー距離計を持ってきて、まず長さの方から…
ふむふむ、だいたい3mね。
で、横幅は…
1.7m弱と。
意外に楽勝なんじゃない?3mの釣り竿とか普通にヨットやボートに載るし(ポジティブシンキング)。
問題は重さ…か?
多分ですが、2人いればなんとか持てるよね?(と、この時は思ってた)
ちょうど良い事に、新規契約艇用なのか?マリーナが新しい船台を製作中で、ウチのヨットの真横に置かれています。
では失礼しまして、試させてもらいますか…
無理だろ、この重さを人力で船に積み込むの(翻意)。
仮に積めたとしても、城ヶ島ベイマリーナの桟橋で船台を人力で移動させるより、ピサの斜塔を真っ直ぐに戻す方が簡単だわ(油圧ジャッキ使用)。
いったいどれくらいの重さなんだ??
キャビンに戻って鋼材の重さをざっと調べてみますと、H鋼の重さは200×100の物で20.9kg/m。
え!?5mで100kg以上か!
私の船台の鋼材の構成は…
こんな感じになっているので、船台の台座部、つまり四角い枠部分の鋼材の合計長はざっくり12mくらい。
つまり(H形と溝形の混合ですが、面倒なのでH鋼で統一して考えると)
12m × 20.9kg = 250.8kg
台座だけで250kgあるのか… 全部で280〜300kgくらい?
4人で持っても、1人あたり70kg超。
無理無理!この重さの物を、上の写真の場所で載せたり降ろしたり、ましてや不安定な浮桟橋の上で移動させるのは無理だわ。
すると、やはりトラックで運ぶしかないか…
海運王の夢、もう潰える。
■軽トラに載るか考えてみる
やはり当初目論んだ方法のトラック輸送に逆戻り。
色々なトラックがありますが、安いのは軽トラでしょうなぁ。
しかし、どう考えても真っ直ぐに軽トラの荷台に載る長さではありません。
斜めに積めるか?
荷台長を2,000mm、荷台の床から運転席の天井まで900mm(適当)と考え、斜めに積んだ場合、どの程度荷台からはみ出すか計算すると…
$${√(荷台長^2+高さ^2)}$$ = $${√(2000mm^2+900mm^2)}$$ ≒$${ 2200mm}$$
船台の長さが3,000mmだから、2,200mmを引いた残りが800mm。
つまり、800mmくらい運転席の上にはみ出す計算。
これくらいなら大丈夫よね?
これが一番安上がりそう。
って、あれ??
軽トラの車幅って1.48mだって!
軽自動車ってそんなに幅が狭いのか!!
警察に書類を出せば1mまではみ出してもいいみたいだけど、そもそも論で荷台にそのまま積むのは無理だった。
これは… ぱっと載る感じじゃないわ、鉄パイプとか無いと無理そう。
赤帽的なヤツを使うイメージでしたが、断念せざるを得ません。
レンタカーを借りるか、2tトラックをチャーターするしかないか。
2tもワイドじゃないと幅がギリギリだな。
◼️今回わかった事
船台は重い、多分300kg弱はある。
軽トラへの積載は無理なサイズ、2tワイド車が必要。
◼️決めないといけない事
トラックをチャーターするかレンタルするか決める(見積を取る)。
船台が無い間、ヨットをどうするか?
こんな感じ?
これを書いている間に、マリーナから契約書類関係は数日内に送ると連絡がありました。
連絡受けついでに船台が無い期間の相談をすると、11月ならウチのヨットにも使えそうな汎用の船台が空きそう… みたいな感じでしたので、そっちの方向で進めようと思います。
それなら、先に船台持って行く必要も無いから気が楽!
上の問題の一つが、あっけなく解決ですわ(多分)。
◼️そして蟲問題
冒頭ではマリーナに着いてカメと遊んだ後、すぐにレーザー距離計をキャビンから持ち出して船台の計測をした感じで書いています。
しかし、実際はヨットに来ると…
どれだけ蜘蛛蜘蛛してるんだ、ウチのヨット!
そもそもキャビンに蜘蛛の巣を張って、何か獲れるのか??
この蜘蛛、絶対餓死したか、諦めて外に行っただろ?
個人的には蜘蛛は嫌いではありません。
むしろ害虫を駆逐してくれる、頼もしい盟友くらいに思っていますわ。
しかし巢は邪魔!卵が孵り、蜘蛛の子が散るなんてもってのほか!
こんな二律背反な感情ではありますが、こう言う時は…
USS「クモがいなくなるスプレー」ですわ。
USSと言うのは米海軍艦に付けられる艦船接頭辞、United States Shipの事ではありませんよ。Un-Spider Sprayの略です(嘘)。
こいつをティラーカバーの中、ライフライン周り、ラダー周り、セイルカバーの中、その他諸々、ホシの立ち寄り先に噴霧!噴霧!噴霧!で、一缶丸ごと使い切りました。
ふー。
これで少しは安心。
他にはセイルカバーの中に鳥の巣とかないよね?と開いて確認しますと
オオゾウムシがいましたわ…
これはマリーナの隅っこの木にお引っ越し頂きました。
キャビンはキャビンで
キアシナガバチが。
こっちはカマキリ先生(現在諸問題で自粛中)じゃないっつーの!
さて、まだ時間も多少あるし、ちょっとその辺をぐるっと一周セイリングでもしようかな… と思った刹那、
ポツリ…
あれ?雨?
さっきまでは
気持ちの良い青空だったんですが…
ま、多少の雨なら…
多少じゃなかった。
わずか3分でコクピットも横溢ですわ。
今日は雨の予報は出てなかったし、雨雲レーダーも朝来た時には全然…
今、雨に集中攻撃されてる。
ハッ?さっき噴霧した蜘蛛のスプレーが流されていく…
小一時間もすれば青空も見えるとは思いますが、濡れて凹部に溜まった雨水、セイルの隙間に入り込んでいるであろう雨水。
濡れたチーク部(に座らないといけない)。
もう気持ちがね…
仕方が無いので
朝ご飯におにぎりを食べて、携帯からクモスプレーの「もう一度買う」ボタンを押して帰宅しました…
ホームハーバー引越編03へ続く