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大学生になったムスメ。人間関係の複雑さときたら。彼氏、ルームメート、友達。

ムスメが大学生になったのが昨年9月。秋学期を終えて、感謝祭とクリスマス休暇に帰省して、1月半ばにまた大学へ戻っていった。

ルームメート。入学前からあれだけ意気投合したルームメートと入寮後わずか1ヶ月足らずで絶縁となり、別の寮棟に移って新しいルームメートとはうまくやっている。今年の秋に二年生になったらまた寮が変わる。今度は4人か3人で同居するが、各自個室は間違いなく、看護科仲間と専攻が違う仲間とどういう組み合わせで部屋割りするか、と大騒ぎしている。

看護科の二年目はスケジュールが一番キビシイ。同じ看護科の友達と一日中一緒にいて、寮に戻ってからも一緒というのはどうか。ムスメは一人になりたいタイプだしお酒を一切飲まないから、よく外出する(飲みに行く遊びに行く)友達と一緒に住むのはどうか、と考えている様子。一緒に行こうって強制しない人たちだから、彼らが外出している間は一人になれるからいいの、だそうだ。


彼氏。つきあうかも?と思われた Rece は、なにせ「犬」とヤッた経験があるようなワルだったから、ムスメに違和感 ("discomfort")を引き起こし、早々に御破算となり、同じ仲間だった(と言っても、もうそのグループは前のルームメートもメンバーだったから解散したけれど)Eddy と晴れてカップルになった。

ちなみに、この Rece。秋学期のあと退学したそうだ。

え?大学一年生の一学期だけでもう退学したの?
ヤレる野良犬がいなかったんじゃない?

ひぃぃぃぃぃ。

Eddy は誰からも "Oh, he is VERY NICE."  という評判で、蓋を開けてみればかのタマなしはムスメにはもちろん nice だったけれど、一般には a nice guy ではなかったらしく、友達からそう言われることにうんざりしていたムスメは、絶対に評判の良い人を彼氏にするのだと心に固く決めていたらしい。

Eddy にはいろいろと複雑な家庭事情があって、正直いって将来的にどういう事態をもたらすのかはわからないけれど、それをいうのならムスメだって三年前に一方的に家を出て、離婚成立後半年もたたないうちに早々に再婚した父親とは、出ていったアノ日以来口をきいていないしテキストの返事すらしていない。

 私との関係もビジネスライクに落ち着き、まるで感情的にブレない私を見て
"It’s almost as if he never existed 🤣 "
 (まるで、そんな人いたことがなかったみたいよね)と友達。

いや、ほんとに。🤣🤣🤣

ムスメは「ママと合わなかったら、彼氏にできない」ときっぱり Eddy の目の前でいう始末。もちろん、そんなことを彼女が口にするまでに、私はもう Eddy とはムスメ抜きのチャットでおしゃべりするような仲になっていた。

いい子、である。専攻は、電気工学。賢い。
ウィットに富んでいて、ムスメが彼との会話を楽しんでいるのがわかる。私も楽しい。目がとてつもなく優しい。

彼は「友達みたいに何でも話せて仲いい」親子関係ではなく、親には口答え一切せず常に尊敬の念を示した態度で、みたいな関係だから、私とムスメが会話する様子にびっくりした。気軽に話せる「大人」という存在が彼の人生にはいないというから、仲間に入れてあげたら大喜びだそうだ。

今朝なんて。そういえばしばらく Eddy と連絡とってないなぁと、ベッドの中でふと思っていたら、ping!  と彼からテキストがきた。

"Just saying hi 👋🏾, feel like we haven’t spoken in a while."
"LOL. I was just thinking the same!!! 👋"

といっても、一週間ぶり程度。

ムスメからは毎日電話がくるのだけど、ムスメが忙しすぎて彼と会う時間がないから、二人揃って電話してくることが減っている。

完全にムスメが尻に敷いている。ムスメは最初からそういう相手じゃなきゃ彼氏にしないと決めていたから、見事に計画どおり。そうは言ってもムスメは彼にゾッコンだから、クリスマス休暇の1ヶ月間、彼が友達の意味不明なアドバイスに従ってムスメを日干しにしたときは、もう大変だった。彼の方が数日もたたないうちにもたなくなったのだけど、私とムスメと二人でコテンパンに叱った。

4月のムスメの19歳の誕生日に、私はオハイオまで会いにいくのだけれど、そのときに Eddy とは初対面となる。


友達。アメリカの大学生というのは、どうもすごい勢いで一気に親しくなって、距離感の調整がつかなくなり、突然その関係が終わる、みたいなことがよくある、らしい。ムスメの最初のルームメートもそうだったけど、看護科仲間のMcKenzie とも、或る日突然そんなことになった。

9月に学校が始まってから、二人は他の看護科の仲間も一緒にどんどん仲良くなっていったが、McKenzie の評判はあまりよくなくて、Eddy も嫌がっていた。かなり極端な性格であるのは見てとれたが、ムスメはそれを楽しんでいて「夜中2時に助けを求めたら、彼女はすべてほおり投げてきてくれる」なんて言っていた。

クリスマス休暇中も毎日のように電話で話している中、もう一人の友達 Yoshがまるでチャットに反応しなくなり、二人で不快感をあらわにしていた。春学期が始まって、二人はスタバのキャンペーンなんかできゃーきゃー騒いでたのに、来年のルームメートの調整が始まったら、一気に関係がおかしくなった。

スタバといえば。イスラエルに資金を送って援助しているとかで、キャンパス構内にあるスタバは、学生の批判とともに閑古鳥状態らしい。大学生は黒か白かのどちらかしかない。

これぞアメリカの "Cancel Culture"

ムスメは一人部屋で、McKenzie も含めて数人の仲間と一緒に暮らしたい。
McKenzie にはムスメ以外に友達がいないから、二人で暮らしたい。

6人それぞれが個室をもつ Suite を狙っていたら、4人 Suite と3人 Suite に分かれなければならなくなった。ムスメには他にも友達がいるから6人だろうが7人だろうが問題ない。McKenzie に自分と一緒の Suite か、別々の Suiteかどちらがいいかと聞いたら、彼女はキレて "I don't care. Whatever." という返事の連発。

いつもふたりで並んで座っていた授業で、完全に無視され、クラスメートは一体何が起こったかと目をぱちくり。そのまま放置するわけにはいかないから、授業のあと「ちょっと話せない?」と声をかけたのに「忙しい」とけんもほろろ。その次の授業では、ムスメの前の席に座った McKenzie が振り返り、こともあろうに。

"Go fuck yourself."

と言ったから、ムスメは絶句。当然、周囲はなんだなんだ、となる。

何が原因か、一体何があったのか。誰の目にもムスメの側に非はないのは明らか。私もムスメも、ムスメが二人きりで暮らすことを考慮しなかったこと、ルームメートにならないオプションを提示したことに McKenzie が傷ついたのだとわかるけれど、ムスメは交友関係をもっと広げたいし広げるべきだと考えていた。そのあたり、アメリカ人のムスメははっきりしている。

特に親しいわけでもないクラスメートが、"You are finally free from her." と声をかけてきたそうだ。
クリスマス休暇に連絡を断った Yosh は、やっぱりMcKenzie に嫌気をさして、でもムスメを一緒に引きずることなく去ったのだということもわかり、ムスメと Yosh は仲直り。

この期間。
ムスメは一日に何度も私に電話をかけてきて、わーわーと状況を説明し、憂鬱そうな表情を見せて、"I will call you again, Mom…." 

子供が大学生になっても、まだまだ子育てはおもしろい。
子育てっていうよりも、母娘関係、か。




ただただ好きで書いています。書いてお金をもらうようになったら、純粋に好きで書くのとは違ってくるのでしょうか。