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アンティーク趣味のはじまりかも。

4月に二十歳になるムスメがアンティークにハマっている。寮を出て一人暮らしを始めるアパートを整える家具にかかる費用を抑えようという意識をちょっと前から漠然ともっていたのかもしれないし、18歳のときに"The Scarlet Letter"のHester Prynneが理想だと叫んだ彼女がもっている昔のイメージとして憧れになっているのかもしれないし、新しいもの好きな私が実用的にモダンに整えた家で育って、それとは反対のものを求めることで自分の世界を築こうとしているからかもしれない。

テーブルと椅子3つと、真ん中のお盆と、チェックのplacematと。

いずれにせよ、自分のスタイルをもつことはいい。

オハイオの大学にいき、BFのJamesの家は郊外にある。彼女が育った街もNYの郊外だけれど、ここ東海岸とMid Westのオハイオはやっぱり違う。私が二つの空港を行ったり来たりして、そこを始点と終点にして、その違いをいつも肌で感じる。アメリカという国はひろい。

一月に引越の手伝いに行ったとき、目を輝かせて私をお気に入りのアンティークショップに連れていってくれた。もちろん、そこでテーブルや椅子、サイドテーブルやランプを一緒にみて買ってもらうつもりでいたのはわかってたけれど。

そこは広い店内を、複数の売り手のそれぞれがもつ出店スペースで区切っていて、売り手の趣味の違いがそれとなくわかる。これから長年使っていくつもりの最初の家具を買い揃えるムスメと違って、私にはもう自分好みのモダンな家具が揃っているから、それに合うようなアンティークは、額縁ひとつですらなかなか見つからないのはわかっている。小物くらいだろう、と思って見ていたら、なんとなく懐古趣味なデザインのナプキンが欲しくなってきた。普段使いしたら、きっととてつもなくお洒落だろう。

”Mom! Look, a berry spoon!"

と、ベリー模様の大きな銀のスプーンを指さした。

あら。

わたしは、計量スプーンとは別に調味料などを混ぜるスプーンを、子供たちが小さい時に使っていたのを再利用しているのだが、その代わりに使えるかもしれない。銀のスプーンをお料理に使う。取り分け用にテーブルで使ってもいいし。なんて優雅な。

それで。スプーンを探すことにした。鍵のかかったガラスケースに入ってる小さい二本を見せてもらう。英国製。そりゃそうか。

大きいベリースプーンは朝のヨーグルトをすくうとき。
小さいほうは、お茶っ葉をすくったり、料理のときの調味料を混ぜるとき。
セットじゃなくて、一枚だけってのが今の私に合ってる。

小さなお皿は、朝の果物とか、おやつの時間のクッキーとか、夕食の箸休めとか。

ほら優雅でしょう。今度はフォークを探そう。

毎月第三週末はセール。割引率はそれぞれのブースによって10-30%と幅がある。目をつけてちょっと考えてセールの時にまだあったら、なんて考えてたものは大抵その前に売れちゃってるというムスメ。だからすごく気に入ったのがあったらすぐ買ったほうが良いと真剣な目で言い含められる。

「セールのときで良かったわねぇ!」とレジで言われるくらいの買い物をして、支払いをしているときに「ママ、この鏡カワイイ〜」「いくら」「$30」
どれ、と数歩左に平行移動して見に行く。うひゃー。とてもムスメらしいし、玄関先にぴったりではないか。出かける前に、ちょっと鏡を覗くのはいいし。

"Go ahead. You can get it. At this point, $30 is nothing."
"THANK YOU, MOM!!!"

🤭


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由香璃。
ただただ好きで書いています。書いてお金をもらうようになったら、純粋に好きで書くのとは違ってくるのでしょうか。