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ホテルの洗濯機事件。

東京のあるビジネスホテルに連泊したときのこと。

そのホテルにはランドリー(洗濯機と乾燥機)が、私の泊まっている階の上下階に一台ずつあった。10泊したうち、二回少量の洗濯をした。洗濯機は30分で200円、乾燥機は30分で100円。もちろん続けて乾燥機を回せる。

一回目は問題なかった。洗濯機も乾燥機も空いていて、洗濯して携帯のタイマー設定して30分後にとりにいき、乾燥機に移してまた30分後に切れる前に取りに行った。

問題は2回目である。下階の洗濯機も乾燥機も使用中だったから、上階に行ったら両方空いていたので、洗濯機をまわして部屋に戻った。30分後に乾燥機に移して、またタイマー設定した。

共同で使うランドリーは、洗濯機もそうだが、特に乾燥機は一回まわすだけでは乾き切らないことがあるから、本人が取りにこなければ、次の人が使えない。長いこと止まったまま取りに来ないと、しびれを切らした人が洗濯物を外にだして、乾燥機を使い始めてしまう。

それがわかっているから、私は30分かかる乾燥機が止まる数分前に、取りにむかった。計算通りに数分後に止まり、少量なのですべて乾いている触感で中身をごそっと手提げ袋に入れて部屋に戻った。

そして。驚愕した。男物が混じっている。

考えた。私は洗濯機からそのまますぐに乾燥機に移した。乾燥機のなかに何か残ってないかを確認するのは当たり前で、カラだったのを確認して洗濯物を移した。

ということは。回っている乾燥機のドアを開けて、自分のものを入れた奴がいるということだ。乾燥機は、途中で取り出すこともあるから、ロックされない。30分待てずに、私の100円に便乗した奴がいるということになる。

そんなことを平気でやる奴が、この世に存在するのか?!
日本人とは思えない。

呆然とした次の瞬間、カッとなった私は、男物の洗濯物をゴミ袋に入れて、ホテルを出た。向かい側のビルに行き、女子トイレに行き、そこのゴミ箱の奥底に捨てた。

ざまあみろ。

海の向こうからこんな輩が日本に来るから、「日本はルールが多すぎる」などと揶揄されるほど、久しぶりに日本に帰ってきた私が呆れるほど、ありとあらゆる注意書きがあちこちにあるのだ。

日本はルールが多すぎる?!

お前たちが「ルール」だと思う諸事項は、日本人にとっては常識なのだ。

私は、人の話を聞いているとき「人間愛にあふれていて」「どんなことにも何かその人の背景や考えがあることを踏まえる感じ」「誠意をもって向き合うのも、義務感とかこうしなきゃとかじゃなくて、それが当たり前としてる、って感じ」と、友達に言われるような人間である。

聞いている私自身の心のなかで、相手を批判していても、「本人は本気でそう思って悩んだり頑張ってるんだろう」と思う。

それはやっぱりアメリカという多様な人々が多様な文化と共に生きる社会で暮らして身につけたものだろう。

「君のうなずき方は、同意だか理解だか、どちらにしても心底うなずいてる感じ」とも言われた。

つまり。日本は移民を受け入れるべきじゃない、とは私は言っていないし、決してそんなことは微塵も思っていない。念のため。

が、一方で。日本人も世界の常識は、日本の常識とは違うということも理解すべきである。世界は、「なんでもあり」に満ちあふれている。

ただただ好きで書いています。書いてお金をもらうようになったら、純粋に好きで書くのとは違ってくるのでしょうか。