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トロピカル植物を描く

この花を意識したのは25年前、長男がシュタイナ―幼稚園を卒業する日だった。

その卒業式には、次年度から担任なる先生も来られて、来年からの生徒と先生の初めての顔会わせの日でもあった。

その卒業式には、ちょっとしたセレモニーがあった。卒業する幼稚園生が一人ずつ一輪の花を、その担任の先生に渡すのだ。

その花は、それぞれが用意する。当時のニュージーランドではどの家にも庭があり、何かしらの花が咲いている。

わたしは、ピンクのゼラニウムを息子に持たせた。

他の子供たちがどんな花を持ってきたのかは、ほとんど記憶に残っていない。

ただ、一人の男の子が、鳥の頭のようなこの花を持ってきていた。

なんて、ニュージーランドっぽいんだろうと思った。バラやガーベラではなく、特徴のあるこの花。

その男の子は得意そうに、その花を握っていた。もしかしたら、彼自身がその花を庭から選んだのかもしれない。

こちらでは、年度替わりが年末年始なので、12月はクリスマス前であり、卒業のシーズンでもある。そして、2ヶ月間に及ぶ夏休みが待っている。

子供が卒業してからは、私はあまり季節感のない暮らしをしているが、さすがにこの時期は浮き足立ってしまう。
そして、懐かしい思い出に浸ることも多い。

左の絵は、歩道脇に咲いていた雑草に紛れて咲いていた花。早春一番に咲く花だ。名前はなんというのだろう。








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