昭和の北海道で【給食のパンが残ったら】オリジナル漫画
50年以上前の 昭和時代の北海道。
食べ物を粗末にしないのは当たり前でした。
学校給食の主食はたいていはコッペパン。ジャムは イチゴや
マーマレード、味噌ピーナッツもありました。
時々出されるカレーラーメンやカレーうどんはみんな大好き。
牛乳は北海道という地域性もあるのかもしれませんが、ビンや紙パックではなく アルミのカップに一人一人ついでいました。
私は基本的に好き嫌いはなかったので、何でもおいしく食べていましたが、全部食べきれずパンを残すことがありました。
残ったパンは持ち帰ります。
母は、私が残したコッペパンをアルミにくるんで保温状態になっている炊飯ジャーに入れます。すると、冷たいパンがホカホカになって、おいしいこと。
その日に出すのを忘れて、2,3日経って固くパサパサになったパンも炊飯ジャーの中に入れるとホカホカになります。
その当時はオーブンもなく電子レンジもありませんでしたが、こうして不自由を感じることなく生活していました。
ある時、私はこの給食のパンを持ち帰らず 学校のの残飯入れに入れたことありました。多分、他の人がそうしていたのを真似たのだと思います。
そのことを母に告げると、珍しく母が私を叱りました。”もったいない”と。
家は農業でしたから、春夏秋は 母は畑や田んぼで仕事があるので、家の中で私の帰りを待つことはありません。でも冬は母がいつも家にいます。寒いのは嫌いでしたが、母がいつも家にいる冬は大好きでした。
北海道の長く冷たい冬、温かい居間で母に編み物を教わりながら過ごしたこと。何気ない時間をともにした家族。
短い子ども時代、こうして安心に浸っていられた時間があったこと。
こんなひと時の思い出を私に残してくれたことに対して、
私は きっといつまでも両親に感謝するのだと思います。