昭和の北海道で【かしこい猫】オリジナル漫画
50年以上前の北海道。
私と姉、そして母は動物が大好き。
でも、父は犬や猫をかわいがることがありませんでした。
私たちは 猫や犬を家の中に入れて飼いたいと思っていましたが、父は許してくれません。そこで、二階の自分の部屋で、こっそり飼っていました。
猫ドアという便利な物はないので、部屋の中に入った猫たちはトイレがしたくても自由に外に出ることができません。
猫トイレを部屋に作るという発想は全くありません。一歩外に出ればそこいらじゅうが猫トイレになりうる土がありましたから。
そんなわけで、閉じ込められた黒猫たちは私の部屋から、何とかドアの外に出ようとしていましたがドアを開けることができません。でも、そのうちの一匹がドアを開ける方法を見つけました。猫にも知能の違いがあって、この猫だけがドアを開けることができたのです。
まず、ベッドの端に上り、そこからジャンプしてドアの取っ手付近に体当たり。この方法は、ほかの3匹には真似ることができませんでした。
私は居間にいて二階から降りてきた猫の鳴き声が聞こえると、父にバレるのではないかと冷や冷やです。何とか、バレないように居間の向こうにある玄関から猫たちを外に出してあげました。
当時は、何の反応も示さない父を見て隠しおおせたと思っていました。でも、そんなはずはありませんね。きっと、知っていて知らないふりをしていたんだと思います。
当時は、犬猫をきちんと登録することは珍しく、家に居ついた野良猫や野良犬に餌をあげるだけでした。子猫や子犬は次々とあちこちで生まれ、腹をすかせた動物たちがフラフラ歩いているのは普通の光景。車にひかれて内臓をむき出しにしているのをよく見かけました。
次々と生まれては死んでいく。それは当たり前のことだと思っていたのです。
今では、農村地域であっても野良猫や野良犬は見かけません。ペットを飼うとすれば、責任を持って近所に迷惑がかからないように死ぬまで面倒見ること。それが義務になっているようですね。死んでからも、きちんと火葬して骨壺があって。
そんなことは想像もしませんでした。当時ならそんなことを聞いても、笑いごとにしか思えなかったでしょう。
余談ですが、先日 アメリカではペットの整形手術まであると知りました。時代もそこまで来たのかと。
ペットをめぐる状況も随分変化したものです。
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