その場所は、ぼくらがやってくるのを静かに待っている

出来るだけ固定費を抑えるために、次のお店は住居兼店舗を理想としています。さらに理想を言えば、その住居兼店舗すらお金がかからない、例えば、気前のいい大家さんが、「ああ、いいよいいよー、家賃は固定資産税分くらい払ってもらえればー。誰も住んでないより誰かに住んでもらった方が家のためにも良いしねー」とか言ってくれたりすると最高に嬉しいです。そんな物件あるでしょうか。たぶんあります。だって空き家だらけじゃないですか、どこもかしこも。もったいないです。宝の山です。それなのにタワーマンション建てるとか、バカの極み、、、、、おおっと、罵詈雑言が出るところでした。クソとかバカとか死ねとか、また言っちゃうところでした。いけないいけない。

ぼくをほぼ無料みたいな値段で住ませてくれたら、ぼくは家賃を稼ぐ必要がない→時間ができる→散歩ができる→近所からゴミが消えます。ぼくは散歩のついでにゴミ拾いをしています。よってぼくがそこに住めば、その地域からゴミが消えて綺麗になります。素晴らしいです。こんな歩く優良物件あるでしょうか。ぼくを住ませた方が絶対に良いです。
九年間続けたお店も、借りたときよりも綺麗になって、大家さんにお返ししました。ぼくが住めば、家も綺麗になります。最近、自宅も毎日掃除しています。トイレの床は毎日雑巾掛け、仏壇、神棚、あちこち掃除しています。一日かけて徹底的にやる、そういうやり方はしていません。毎日ちょこちょこあちこちやるんです。母はきっと、「コイツなんで急に掃除するようになったんだ」とか思ってるに違いありません。自分のためにやっています。調子がいいんです。
ゴミ拾いで地域が綺麗になる、空き家だった家が生き返る、そしてぼくがそこに住めば、その地域にお店ができるんです。それもただのお店じゃないですよ。類稀なわけのわからないお店ができます。お会計をお客さんに決めてもらうような資本主義クソ喰らえな、おおっと、またクソって言っちゃった。とにかく凄く良いお店ができます。良いことずくめです。なんて素晴らしい優良物件なんでしょうか。こんな物件なかなかありませんよ。空き家をお持ちの方、この地域にお店があったらいいなあと思っている方、連絡お待ちしています!

とまあ、自画自賛はこのくらいにしておきましょうか。事実ですが。

ぼくの彼女は、「水辺に住みたい」といつも言っています。最初は海のそばに住みたいと言っていました。最近は(妥協してきたのか)、湖や川も良いと言っています。妥協ではないですね。湖や川の良さを知ったんですね、きっと。
ぼくは山に住みたいとずっと言っています。山の方が絶対に楽しいよ、散歩中にキツネやカモシカ、クマに会ったりできるんだよ。山菜だって採れるし、薪で暮らしたいから薪の調達も容易だし、もう絶対山の方がいいよ、とぼくは言っています。彼女はなかなか洗脳されません。それほど水辺が好きなんですね。ぼくも水辺の良さを知りたいです。
水辺がある山、がいいかもしれません。良いとこ取りです。沢を登って岩魚を釣る。おお、楽しそう。晩飯に事欠きません。

お店をやる場所は、ぼくと彼女が暮らす場所でもあります。次のお店には、「暮らす」が入ってくる。どんな場所で暮らしたいか、どんな場所でお店をやりたいか、その両方が重なり合う場所を見つける。二つのグラデーションが混じり合って溶け合って一つになる場所。自分たちにとっても、来てくれる人たちにとっても、「ここは良いところだ」と思える場所。それはどこなのか。

いつか出会うであろうその場所は、ぼくらがやってくるのを、静かに待っている。そんな風に想像すると、待ってろよー、必ず行くからなー、冒険みたいで、わくわくしてきます。

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