実はとても大切でかけがえのないもの
今回、三日間にわたって、会津若松大町にある「食堂紺と種」で出店させていただきました。大事なことに気がつくことができて、とても有意義なものになりました。食堂紺と種のスタッフのみなさん、声をかけていただきありがとうございました。来月以降も、どうぞ宜しくお願いします。
さて、何が有意義だったかというと、
よくよく考えてみると、お店を閉めてからもうすぐ一年あちこちで出店させてもらっていますが、一人でやったことがなかったんですね。例えばパン屋みちで出店するときは、はるかちゃんがパンを売っている隣でぼくが珈琲を淹れていますし、ゆめちゃんのところで出店するときはゆめちゃんがホットケーキを焼いていて、かいちゃんとやるときはかいちゃんの料理があり、結婚式で珈琲を淹れさせてもらったりと、この一年間、「誰かと、何かと、一緒にやる」というのが続いていました。「ぼく一人で出店する」というのを今までやったことがなかった、そのことに今さら気づいたんです。
どこかで出店させてもらうとき、大体が一日だけです。一日だけだと、どうしてもイベントみたいになっちゃいます。イベントって、何か特別な感じがするわけです。その時だけの催しもの、みたいな。それはそれで楽しいし良いことなんだけど、お店のあり方は、そうじゃないと思うんです。お店って、「日常」だと思うんです。生活の一部にあるもの。リズムがあるもの。その日常が、実はとても大切でかけがえのないものなんです。みんなよくイベントに脚を運ぶけれど、もっとお店に行った方が良いです。お店がなくなって、初めて気がつくんです。かけがえのないものだった、って。
今回紺と種で出店させてもらうにあたって、一日だけじゃなくて、まとまった日数でやりたいと思いました。そうすることで、多少なりとも「お店らしく」なるんじゃないかと考えたわけです。
実際三日間一人でやってみると、確かな手応えがありました。もちろんお店にはならないんだけど、らしさはあったと思います。それが嬉しかった。来てくれたお客さんもぼくと同じように、あ、なんかいつもと違う、お店っぽいかも、って思ってくれてたら嬉しいです。
12月も、12日、13日、14日と三日間紺と種でやらせてもらいます。こうやって毎月定期的にやらせてもらうことで、よりお店らしくなっていくんじゃないでしょうか。
さっきも書いたように、もちろんお店にはなりません。でも、お店に近づくための一歩には、間違いなくなっていると思います。
場所を貸していただけて、本当にありがたいです。