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影の間につく境界線のコレ、何?

影を塗るときに一色で塗ってしまうと、どうも平たく見える。
そんな時、影に境界線つけるだけでグッと絵の立体感が上がりますよね。

線には薄い色や濃い色、または色相の違う色など。絵柄によって様々な色が使われていると思います。

なんかいい感じになるこの境界線――
そう、ずっと描きながら思ってきたことがあります。

「これって実際、何を描いてるんだ…?」

今回はこの影の境界線について自分なりの考察をまとめてみました。


実際によく見る使われ方と疑問

絵を立体的に描くには欠かせない影。
影の描き方の表現によって千差万別ですが、境界線があるパターンは冒頭でも少し触れた以下のようなものがありそうですよね。

暗い色の境界線 / 明るい色の境界線 / 色相が違う境界線

こういった境界線を引いたっぽい影表現がある。ということは理解していても、
ではなぜ「影に境界線があると絵が良く見えるのか」を考えてみてみると、実はこっちはよくわからない。

なんかいい感じになる線!というアバウトな理解で幾年。
まあこんな理解で描いていると、もうご想像出来ると思います。
何が起きるかというと…

境界線の正体をようわかってないまま塗っているので応用が効かず、
しばらくして色塗りの成長が伸び悩む事象が発生する!!!!

理解してないのでどうしたら塗りもっと良くなるかすらわからない。
ということで今回、渋々技術本を読み漁ってみました。

我々は明暗境界線で絵の空気感を描いている

これは影の境界線表現の中でも一例ですが、
気づいたのは「光と色のチュートリアル」のCHAPTER 02 照度の説明からでした。※記事最下部に著書詳細

私の場合、「待て待て、照度ってなんだ?」ってところからわからなかったのでまとめてみるとこんな感じみたいでした。

ぐあああ圧倒的物理知識

いや、照度の話って境界線の話と関係なくね?って思っていたのもつかの間。明暗境界線というやつの特性を見てみると。

写真撮るときとかに光強すぎると照度過多で明るいとこ白飛びするのこれか!

色、照度の影響めっちゃ受ける。

どうやら私の描いていた線はただの明るいところと暗いところの境界線というものではなく、照度の変化によって見える明暗境界線の違いで絵の空気感(光)を描いている。
ということがフィーリングでわかりました。

理解した上で影のデフォルメ表現

もちろん上記の明暗境界線の物理に完璧には当てはまらない表現方法もあると思います。
でもそういうのは結局のところ物理表現のデフォルメなんだろうな~と個人的には思ってます。

ですので理解ができた上での境界線の塗りというのは、
「自分の中の表現の限界」→「表現したいものを適切に描き分け」
これが可能になることなんじゃないかなと思いました。

・水彩境界

水彩画では塗った際に境界に顔料溜りができることから。
顔料をのばした感じやセロファンを重ねたような雰囲気が作れる。
境界線に濃い色が来るので明部の光の感じがより明るく見える。

・稜線の影

稜線とは立体の面と面の境界のこと。
イメージとしては明暗境界線の下に出来る暗いところで、ここに少し強めに暗い色を当てると立体感が増す。影の方向に少しボカシをいれたりしても自然で良い。

・明暗境界線

明暗境界線に彩度の高い色や色相の違う色をぶつけることで、
光による絵の空気感や空間作りができる。
ライトの色や環境光の色をイメージして影の色選びを行うと、よりリアルな印象に。

こうやって見ると影の境界線の表現はそれぞれ違うものを描いており、自分はどれを描いているのかを理解していると、絵の解像度が上がりますね。
描きたいものの解像度が上がると、全体の雰囲気づくりを高めつつ小さな違和感を払拭しやすくなるので、絵描きQOLが爆上がりになるわけです。

影の境界線をいい感じに使うには

①自分が描いている影の境界線の正体を知る
➁自分が描いている影の境界線の特性を知る
➂上記を理解した上で自分が描いている影の境界線を簡略化する

これができれば私もあなたも影の境界線描き分けマスター!


◆参考
光と色のチュートリアル
パク・リノ (著), 金智恵 (翻訳) / マール社

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