教養の無い読者が増えてきたなぁ・・・【【推しの子】最終回 感想】
先日、ついに【推しの子】が完結した。
『ib －インスタントバレット－』から赤坂アカを追ってる身としては(古参アピ)、ここまでの社会現象を生み出し、数年の時を経て完結！というのは非常に感慨深い。
私はコミック派故、最終16巻が出てからその結末を見届ける予定だったが、「15巻以降の話も無料で見れるよ」という知人からの誘惑に負け、数日遅れで最終話まで完走。
感想としては・・・大満足だった。
元より、カミキヒカルをどのように裁くのかに重点を置いて読んでいたが、まさかアクア共々死ぬ形で幕引きなるとは一切予想がつかなかった。
あれだけ全編通して、自分の人生を生きる様、周りから諭されていたのにね・・・。結局最後まで復讐鬼としての生を貫いたのは悲しいような、アクアの信念の強さを再確認できて嬉しいような・・・。
そこに至るまでの過程も良い。第百五十四話でのビデオレターで、カミキヒカルも救われるフラグが立ったときはガッカリしたが、その反応すら赤坂アカの掌の上。第百六十話でやっぱり救いようのない邪悪なのが分かるという、下げて上げるジェットコースターのような緩急が堪らなかった。
有馬かなやルビーといった、残されたもの目線からしたらバッドエンドにも程があるが、復讐劇としては最高の結末だったと胸を張って言える。
そんな心地よい読後感で胸が満たされてた所で、「世間の感想も気になるなー」とSNSに潜ってみる。
あれ、軽く炎上してない？
めっちゃ酷評されてない？
・・・と、自身の評価とあまりにもギャップがありすぎて困惑中。
目立って多いと感じた批判は、以下の数点かな。
・アクアに死んでほしくなかった
・終盤が駆け足過ぎる
・未回収の伏線が多い
・・・まぁ分からなくもないけど、そこまで叩くほどかぁ？といったリアクションしかできない。
もうちょい細かく書くか。
・アクアに死んでほしくなかった
私も上述したが、残された側目線であまりにも救いの無い結末に嘆いている様子。
それを踏まえても私は納得してるけどねぇ？アクアが死ぬのは確かに悲しいが、話の流れ的に、復讐を諦めてアクアとしての人生を歩むか、転生前から続く負の連鎖を断ち切るかの二択しかなかったわけだし。
大体、アクアだって死ぬのを後悔していたじゃん？彼もホントは生きたかっただろうよ。でもカミキを殺すには心中しか思いつかなかった。そんな悲しい末路を、残された者たち(読者含めて)が嘆いてこそ、推しの子という物語が完成するんじゃないのかね？
キャラクターが救われないから駄作なんてのはあまりにも短絡過ぎだって。ハッピーエンドが見たいなら、少なくとも青年誌に連載されている漫画なんか読んじゃダメよ。
あとは、アクアが最終的にどのヒロインとくっつくか予想していた層から大ヒンシュクを買っている印象だ。
まぁぶっちゃけそこも、私は興味なかったから気にしていない。強いて言えば有馬かなルートを予想していたかな。ただ仮にアクアが存命するとなると、ルビーとくっつく禁断の愛エンドが成立しかねないし、どちらにせよ殺すしかなかった気がする。
・終盤が駆け足過ぎる
確かに急にポンポン話が進み始めた印象はあるが、クライマックスに向けて物語が加速している感覚が心地よかったので、私は肯定的に捉えている。少なくとも、無理矢理話を畳みに行った感はなかった。
「ルビーが立ち直った理由が分からない」だの「他キャラの後日談をもっと書け」みたいな批判もあったが・・・・・・。そんなに1から10まで教えてほしいのかね？描かれない部分を読者が想像で補完するってのも、物語を愉しむ醍醐味だと思うんだけども。少なくともラスト２話で、メインキャラのその後は断片的に描かれていたし、その行間はこっちで埋めてけばいいじゃん。
・未回収の伏線が多い
よく言われているのが、「結局ツクヨミって何だったの？」だね。まぁこれは私も同意。
意味深なセリフツラツラ並べた割に、なんで転生したのか、どういった原理で成立しているかの説明が一切ないのはモヤモヤする。
元々私は、本作の転生要素に一切興味がなかったんだけどね。ゴローがアクアに転生した理由自体、幼児の時点で大人並みの知能を持たせた上で話を進めたかっただけだろうし。
なのに終盤で急に中途半端な掘り下げをしだしたから、それはノイズに感じてしまった。だったら最初から「何か良くわからないけど転生した」で留めておけばよかったのに。
他にも、「目の星の数云々ー」を伏線と捉えていた層がいたみたいだが・・・。正直深読みしすぎでは？あくまで漫画的な表現として、アイの瞳を軸に色が変わったり星の数が変わっていただけで、そこに物語的な理由は元から用意していなかった気がする。
あと「ルビーのビデオレターどこいった？」ね。・・・これはぶっちゃけ忘れてました。私がアイドルに興味がないせいか、ルビーに愛着がなくて。まぁ言われてみれば回収しとくべきだったな。アクア側のビデオが話の本筋とは言え、アイがルビーに対してどんなメッセージを残すのかは気になるし。
疲れたのでこれくらいで。
数々の批判意見を見て、私が思ったのは、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あくまで個人の感想ですよ？作品の良し悪しとか、面白い面白くないなんて人それぞれだし、本作を読み終わって納得いかないと感じる読者が居ても何らおかしくない。むしろその意見は尊重されるべきだとは思ってます。
それを踏まえて思ったことを述べさせてもらうと・・・
まともに物語を読めない奴らが叩いてんなー。
です。「普段活字読まない方々が多いのかな？」とか「話の文脈理解していない人達かな？」とか思ってしまいました。
いやホントすみません。根拠とかはないんです。ただＳＮＳで流れて来る批判意見や、赤坂アカ先生のリプ欄へ直接叩きに行ってる連中を見て、そう感じてしまいました。
あとこういう投稿する奴らね。
YouTubeのコメント欄に書いてあった奴なんだけど、もうこの人が推しの子描いてくれたら良かったよ。この最終回読みたいもん。 pic.twitter.com/renr4lXxTo
— 腿ﾝｶﾞ (@momongaxq) November 14, 2024
ど素人のシナリオ案とかキショ過ぎるて。しれっと有馬かなが優遇されてたり、黒川あかねが刑事になってたりと、夢小説ならギリ許された駄文。それを引用して賞賛しているコイツも同類だかんな。赤坂先生とナガノ先生に謝れ。
あんなゴミラブコメと一緒にすんなボケ。あっちはマリカ結婚式編から破綻してただろうが。てか私からしたら、春と鶫が楽に惚れた時点で見限ってるからな。メインヒロインで話膨らませられなくなったからって出てくる女全員から矢印生やすな三流が。
・・・少し話が脱線しました。
どいつもこいつも、自分の理想通りに終わらなかったってだけで貶しすぎだろ。既存の作品にはない展開、要は王道から外れる物語だったから、「納得いかない！」って叩いているだけだろ？こちとら常人には思いつかない驚きの展開が見たくて楽しんでたのに冷めるわホント。『ピープルvsジョージ ルーカス』見てる気分だわ。
やっぱ終盤の展開叩いてる層って、絵本なり小説なり漫画なり映画なり、これまでマトモな物語に一切触れてこなかったのかね？とてもとても、エンタメ作品を楽しむ知能が足りてないとしか思えないんだが。
本作、恋愛リアリティショー編やコスプレイヤーの暴露周りのエピソードで、上辺だけ見て叩いている愚かな大衆を批判していたけど、まさにその愚かな大衆ばかりが、推しの子を支持していたというね。中々皮肉が効いてるわ。まぁ当人たちは自分が言われている自覚がないだろうけど。
これ別に推しの子を過剰に擁護している訳じゃないからね？「ボキの大好きな漫画が貶されて許せないんだジュン」みたいな感情は一切ない。ただ批判意見の大半が浅すぎて、「お前らごときに言われる筋合いはないだろ」ってスタンスで物語っている次第です。
実際共感できる批判意見もあるしね。
例えばこれ。
確かに一理ある。推しの子って、ちょくちょくSNSユーザーに矛先が向くんだけど、単にボロクソ言うだけというか、そこに対して明確なアンサーをしっかり描かない節があるよね。
こことかもさ、何かしらの形でネット民を制裁する的な話になると思いきや、単に黒川あかねの好感度を取り戻すだけという・・・。赤坂先生としては、大衆への批判は説教程度に留めた上で、読者にＳＮＳでの在り方を律したいのかな？だとしたらあんま上手く行ってない気がする。話が面白いから、説教臭くても多少許せるんだけどね？せめてもうちょい踏み入った話してほしかったモヤモヤはある。
他にも、物語の整合性が破綻している部分を指摘している意見なども納得はできる。私は特に気にならなかっただけで、細かなディティールも成立してないと物語に入り込めない層もいるだろうし。
ただどうしても、あ ま り に も、単純な好き嫌い＝作品の良し悪しだと勘違いしたまま偉そうにモノ言ってる連中の声がデカすぎたので、この度お気持ち表明するに至りました。
まぁ今回の件に限らずだけど、頭の悪い奴らの声が大きい時代になっちゃったよね。本来だったら「何言ってんだこいつ」でスルーされるべきなんだけど、同じレベルのやつらがウジャウジャ群れるせいで、それが民意みたいな風潮になってしまうのが嘆かわしくて仕方ない。
己がSNS中毒じゃなくてつくづく安心したわ、じゃなきゃこんな記事かず、しょーもない感想書いてる奴らに凸リプしちゃってたもん。
赤坂先生。もうね、ここらでインスタントバレットのリメイクやりましょうよ？
悲しい事に、あなたの作品とちゃんと向き合ってる読者はそこまで多くなかった。だからいっそライト層は切り捨てて、古砂夢の新たな結末を見せてください。こちとらかぐや様完結したら再始動するものとばかり思っていたのに！
・・・まぁもう決まってるらしき新連載も追うけどね？メルヘン世界でのラブストーリーとか、これまでの赤坂アカ作品からは一切想像できなくて逆に興味湧くし。
今回は以上。別に自分が賢いと言うつもりはないけど、もう少し、世間のエンタメに対する読解力が上がる時代を夢見て、この記事を締めようと思います。
マージで、「アクア生存ルート以外認めない！」とか抜かしている奴らはくたばれ。お前の人生が報われないからって、フィクションにハッピーエンドを求めんな。