ご当地キャラクターの日
二人のつかみ合いが一段落したところで、監査官はくりくりの手を取った。
監査官
ありがとう。君の魔法のお陰で私は交信をする事が出来たんだ。そして、癌細胞民たちを初期段階で駆逐する事に成功した!!
米子
エッ、監査官はくりくりの魔法じゃなくって、クロロホルムで…
樹状巡査部長
まぁまぁ、米子さん、なにはともあれ、監査官が交信して下さったのだから細かいことは…
米子
アタシ、どっちかって言えばザッパですけど…アハハ〜まぁ、魔法ともなればなんでもありっちゃありですかね…
くりくり
僕、見ちゃったんだけど、樹状巡査部長と、B大佐はスタップ細胞キャラクターのTシャツ着てるんだね。
B大佐
スタップ細胞っうのはなぁ、オイラたちを弱酸性で培養すれば出来上がる夢のような万能細胞のことさ、あれさえあれば、カネはザクザク、
先進国の貧乏国なんて言わせねぇよぉ〜、あの会社もリストラせずにすんだだろうになぁ、そんな吉夢を見られる下着が国防省の配給品さ…泣かせるよ。
くりくり
白い割烹着にコロッと騙されちゃちゃって、科学者集団と言えたのかな?見る夢は悪夢じゃないの?
それよりねぇねぇ、それで、司令官は癌細胞民に取り憑かれていたの?
監査官
結論から言えばイエスです。前にもお聞き及びされているとは思いますが、癌細胞民は、主ずんぐりむっくり様の飽食あるいは煙害により細胞民が癌細胞民にゾンビ化したモノたちです。
私たちはサイトカインテレパシーを用いてお互い交信しますが、ゾンビ化した彼らにはその能力が失われているので交信は出来ません。
司令官は癌細胞民にすっかり機能を乗っ取られ癌化して会話をすることがままならなかったのです。
次に私はキラーとの交信を試みましたがキラーとも連絡は付きません。部下を直接、司令官の所に行かせたところ、そこには司令官とキラーの死体がありました。
監査官は事のあらましを坦々と語った。
つづく