コンビーフの日
くりくりはマックロファージ巡査が瓦礫を食べてくれるので先に進むことができた。彼は道々、コンビーフとキャベツを炒めたのをドッグパンに挟んだのを持って、
花見にでも行きたいな、パンには粗挽きマスタードも合うかな?などと思っていた。
しかし歩みを進めるうちに室内はすでに腐敗が始まっていて、悪臭が鼻を突いてきた。
くりくり
臭いね、誰もいないね、ネバネバしてるし…
巡査
そ〜ねぇ、これはかなりの数の死人が出た感じ。ヌルヌルは死んだモノたちの膿だよぅ。
くりくり
オェー、じゃあ、僕が踏んづけてきたのは米子さんかもしれないの?うわうわうわ、オシッコ、漏れちった…
巡査
ゴメンねぇ、事前に全て話すと入りづらくなると思ってさ。でも、みんな、死んでるから悪さはしないし、美味しくなっていると思う、安心して。
くりくり
う〜ん、君は外見だけじゃなく、メンタルも僕とはまるで違うね。
巡査
だって、僕らは未知との遭遇なんだから色々、違って仕方ないよ。
くりくり
うん、僕らは近くにいるのに知らないことばかりだ。だけど、みんな違ってみんないいの気分に僕はなれないよ。
死んだ人の悪口は言いたくないけど、米子さんは金に汚くってさ、僕が借りた十円が二十円、ねずみ算的に増えちゃって、気が付いたらA4借用書いっぱいに数字が並んでた。
僕、気なんか付かなければ良かった。それで、しつこく返済を求められてね、困ってたら素子さんから、米子さんが失踪したって聞いたんだ。
それで、僕が米子さんを探しだしたら借金は棒引きだって…十円を異次元の金額にさせて連日連夜、返せ返せ返せ返せコールしてくる相手なんて違いの良さが分からない!!分かりたくない!!
巡査
ヤッパ、ソーナンだ!!月刊オッタマゲンチャの特集記事に書いてあったよ。米子は目つきが異常だったて…
くりくりが足元を庇って壁に手を付こうと、ふと、壁に目をやると、壁には見慣れた2つの目が目をひん剥いてこちらを見ていた。
くりく
よっ、よっ、米子さん?
婆が亡くなり細胞の家もその生命を失い、家は急激に縮こまり米子を圧縮していた。が、今、米子は悪口を聞いたトタン、力が漲るのを感じ、
米子は壁からニュルリ〜と這い出した。
つづく
大変貧乏しております。よろしかったらいくらか下さい。新しい物語の主人公を購入します。最後まで美味しく頂きます!!