今日はコーヒーの日
私、生まれはフランス。その前のことはよく知らない。今ここは南米のギアナで囚われの身。
私はとってもお金になるチェリーだから外を出歩いちゃダメなんだって。この国で一番、地位と名誉とお金のある奥様の所にいるの。
でもさ、そういうのがあってもモノって満たされる訳じゃないみたい。地位も名誉もお金も奥様のものというよりも旦那様のものなの。
で、旦那様はお仕事に忙しくて、お家にあんまり帰らない。そうなるとやらかすことはお決まりのコース。
異国の若い海軍士官に恋をした。
でもこの恋は仕掛けられた恋でね、この若者はポルトガルきっての色男。私、チェリーをお隣の自国領ブラジルに連れて行く為の罠。
男は甘い声で異国の話なんかをして奥様を虜にして、自分はチェリーを持ち出すのが本当の使命と告白。
ねえ、これを読んでいる貴方、女性にモテたい?だとしたらこのやり方って正解かもしれないわ。
女はね、正攻法に弱いの。母性本能をくすぐられるってことかしら?だから勇気を持って本当の事を告げてみて。
まあ奥様の場合、男にぞっこんだったからとも言えるけど。
男は奥様が貞操を守ったから私を手に入れることを諦めていたけれど、帰国するその日、奥様は男に花束を渡したの。その花束の中に私を入れたのよ。
あ〜、あたしもドキドキしちゃたわ。
でも無事に私はブラジルに到着してそこでサントスという名で世界デビュー。今では世界一になれた。
奥様は私を渡さなければ再会のチャンスがあったかもしれないのになぜ私のことを彼に渡したのかしら?女心って複雑ね。
その後の二人のこと?それはね、どこにも書いてなかったのおしまい。
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大変貧乏しております。よろしかったらいくらか下さい。新しい物語の主人公を購入します。最後まで美味しく頂きます!!