民放の日
くりくり
マックロファージ巡査、君、君は頭がいいね。羨ましいよ。僕なんてねぇ、外の世界に居るときは、
なんだ、つまらない、アホくさ、どうせ死ぬんだから生きている意味なんかありゃしない…なんて不貞腐れて生きてたよ。でも僕、ここに来て分かったんだ。
外の世界では黄色い菜の花が僕に、話しかける。良いお天気ね!!って、それで僕は、だからなんだよ、一つも楽しくないって答える。
それで、菜の花から乱暴に花粉を集めたり、蜜を吸って、こんな毎日、飽き飽きだって、思って米子さんに、お金を借りて遊んだりもした。
でもそんなことしても僕の心には穴が空いているようで満たされなかった。モヤモヤして、どうせいつかは死ぬだけだって思ってた。
でも、僕、この内側の世界に来て、分かったんだ。僕、大空の下、菜の花や、タンポポと挨拶する。それだけのことが、懐かしくって涙がコボレる。
雨の日は水滴の中に虹が隠れてゃしないかって探す自分が惨めだったけど、僕はそうして生きていた。
僕はそんな日々が当たり前で面白くなかった。でもそれは違ってた。僕はそんな日々が、ここに来て、大切だったって気がついた。
風を感じる、花たちと僕の時が過ぎる、水滴の中に、希望を探す。僕の生きる意味はそこにあったよ。
僕は少しも想像力がなくって、自分の居た世界で生きている。それが僕の生きる意味だって、気がつかなかった。
なのに君はいつだって、自分の立ち位置がわかっているんだね。そして自分のシゴトをコツコツして、褒められたいとか思いもしないで…
僕は、僕こそ、君ともっともっと一緒にいたいよ…(ノД`)シクシク
そうして二人は抱き合って泣き出した。その様子を見ていた米子は、寒いテレビドラマのようだなっと思い、安っ!!と呟いた。
つづく
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大変貧乏しております。よろしかったらいくらか下さい。新しい物語の主人公を購入します。最後まで美味しく頂きます!!