アイスクリームの日
くりくりは黙って監査官の前に立ち、両腕を伸ばして何やら唱えながらその腕をグルグル回した。
くりくり
サイトカイ〜ン
サイトカイ〜ン
痒イ〜ン
痒イ〜ン
痒イ〜ンだったら
ヒスタミ〜ン
ヒスタミ〜ンッ
安眠妨害
ヒスタミ〜ン
ミ〜ンミ〜ンセミナー
怪しいな〜
クリクリがそう唱えると監査官は立ち上がり、三白眼となりヨダレをたれ流しブツブツとテレパシーを始めた。
米子
あ~ら、流石は初級妖精試験合格者ねぇ、催眠術を使ってテレパシーを送るように仕向けたってワケ?
樹状巡査部長とB大佐はその様子を見て、両手で小さく拍手する仕草をみせた。
クリクリ
エッ〜僕、そんな事できないから、たまたま持ってたクロロホルムを手に塗っただけ〜、でも、終わりよければ全てよし!!
米子
たまたま…クロロホルム?流石は変質者…どこで売ってるのソレ!!
あっ、バカ!!それ、眠くなるだけ…止めて、止めて、その手を振り回すの…
米子はその場で意識を失った。小さく拍手をしていた二人もその場に崩れた。
そして当事者のクリクリも、アイスクリームがとろけるように眠りこけた。
つづく
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大変貧乏しております。よろしかったらいくらか下さい。新しい物語の主人公を購入します。最後まで美味しく頂きます!!