今日はニットの日
生きとし生けるもの
サーカディアンリズム
に支配されている。
ぐずぐずと泣いている米子。
素子
あら米子さん泣いちゃって、どうしたんですか?更年期障害による感情失禁ですか?
米子
何言ってんのよ、アタシは新米舞子の体を乗っ取ったんだから、更年期なわけないでしょ!!この間の話しね、
夜行性動物でも概日性のリズム(サーカディアンリズム)はあるって分かってさ、それが少し悲しくって…
素子
へー、そうなんですか、じゃあ、その話し教えてくださいよ。
米子
うん、これまでも話しに出てきたけど、
毎日の睡眠・覚醒のリズム、体温や血圧、さまざまなホルモンの分泌に、概日性のリズムはみられるの。
交感神経と副交感神経の働きで、各臓器の機能は必要な時刻に高くなり、必要がなくなる時刻には低くなる。
これらの概日リズムは、ヒトをはじめとする哺乳類に限らず、昆虫や植物、カビや細菌など、地球上で生活するほとんどすべての生物において観察されるわ。
概日リズムは、24時間周期で変動する地球の昼夜に生物が適応するために獲得した重要な特性なんでしょうね。
そこで、ネズミよ。ネズミは、身の安全を守るため昼間に眠り、夜間に活動する概日リズムを持っているの。
1日の睡眠時間は13時間だけど、まとまった睡眠はとらないで小刻みに寝てる。身の安全を守るのも大事ね。
この体内時計は細胞の一つ一つが持っていて、振るえ合いながら仕事をしているの。でも、細胞の一つ一つって、トンデモナイ数だから、司令官が必要。
その司令官は脳の視床下部の視交叉上核というところ。で、これらを証明する為にね、ネズミを明るい所でずっと生活させたり、
暗いところで生活させたりして、状態を観察したあとに、脳の司令官を取り除くとネズミは異常行動をするんですって…
ねぇ、ネズミをそんな目に合わせなくっとも、ネズミは夜に行動するもんだって分かりそうじゃない?
素子
なんだ、米子さんはネズミが可哀想だから実験をするなって?
米子
あら、そんな事じゃなくってさ、ユダヤ人の人体実験は実験とは言えない醜悪な殺人だって言われて、全否定だけど、
これがネズミとなると、無益な実験でも、どうだ、どうだと自慢げに話す科学者がいて、命ってなんだろうと思うと、ただ、泣けてきちゃう、それだけの事よ。
素子
ネズミと人の区別がつかなくて、時の気分で泣いたりする。だから米子さんはサイコパスなんですよ、毛糸は編み直せても生き物の命は直せませんけど、それだけの事。
つづく