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東名高速道路開通記念日

米子は腕組みし口をへの字にしてつづけた。


米子

そうね、アタシなりに糖尿病の正体も見えたし…


素子

ふ〜ん、素子は米子さんの後に従うだけです。でも、短い期間、お勉強して糖尿病のスペシャリストとなった米子さんが、考えた正体って?


米子

ねぇ素子、街には美味しい物がドッサリあるわね。スーパーなんて清潔で明るくって、イラッシャイ、イラッシャイって心が踊るわ。


テレビを点けてもあれを食べましょう、これを食べましょうってアタシたちは誘惑の中に生きてる。


素子

ハイ、昔を知りませんけど好きな物がすぐに手に入って食べられる平和な時代に生きている事に感謝です。


米子

ねぇ、それ本当かしら?勿体ないから食べて食品ロスを減らしましょうとか変じゃない?


素子

う〜ん、そう言われれば健康のためには食べるなって言ったり、どっちなんじゃーい!!という気はします。


米子

米子たち米族は1969年、世の中がいざなぎ景気に沸き、東京と名古屋を結ぶ東名高速道路が開通した年にはすでに余ってた。


素子

そうでした、アメリカが小麦を売るために学校給食をパン食にしたら米が余り始めたんでしたね。


米子

もうさぁ、ずっと前から人口が減るのも炭水化物が過剰なのも分かってた事だよ!!それなのに食物自給率は上げましょう、


食べましょう、食べましょう、外国産の食物もドンドン輸入しましょうって、おかしな話なんだよ。その時々の都合で国民をメタボにしたのは誰?と思うよ。


栗は剥いてもらって、魚の骨は抜いてもらってなんて横着してまで食べるかな?アタシたちは食べさせられている事に気がついたほうがいいよ。


病人を増やして医療の既得権益を守って、アタシたちを病人に仕立てているのは誰?豊かな食卓、国民皆保険、誰もが安全で豊かな暮らし。


この国民に生まれたあなたはそれだけで勝ち組とかさ、アホぬかすな!!そんな甘い言葉を信じて言われるままに食べて、病気になってさ、そんなアンタに自由はあったの?とアタシは聞きたいよ。


将来のための方向性も示さず農家には金を配り、輸出品を増やすために食料品を輸入し続けた。


そのツケはすべて国民が払い、とくに体質や意志の弱い人たちが標的となり、メタボから糖尿病、それをまた心優しい医療従事者様たちの利益を守るためにクスリ漬け…


ねぇ、余ってあぶれちった米子の世迷い言、米子を可哀想なんて思わないほうがいいよ。だってアンタだって気が付かないだけで、犠牲者でしかないんだからね。


体の声を聞いて、正しい情報を仕入れて、自分の身体は自分で守る。自分の健康を他人になど委ねては駄目だよ。


だって、いつの時代だってさ自由は自分で勝ち取るしかないんだから…


米子はそう言うと全身がドロドロとなり喫茶シビアの薄汚い床のシミとなった。素子はレースの白いハンカチで米子を掻き集めそっとしまった。


終わり


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ポリポリ
大変貧乏しております。よろしかったらいくらか下さい。新しい物語の主人公を購入します。最後まで美味しく頂きます!!