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今日は世界宇宙飛行の日

登場モノ

アトラス:地球を担いでいる巨人

クリクリ記者:ミツバチの妖精、自称記者

クリクリ記者は新企画、「名もない星で働くモノたち」の取材で宇宙に飛び出した。目玉企画の第一弾として名もない星を担いでいるアトラスの取材に来た。

クリクリ記者:ご苦労様です。アトラスさん。今日は「名もない星で働くモノたち」の第一弾として取材に上がりました。アトラスさんの日々の努力により、私たち安心して暮らしています。

アトラス:ホントにねぇ、もうかれこれ3千年はこうしているよねぇ。放り投げて遊びに行きたい時もあるんだな。代わってくんないかななんて、思うけど、一度騙されているから、慎重にはなるよね。担ぐのうんぬんよりさ、騙された心の傷が癒えないから。

クリクリ記者:アトラスさんの御胸中、察するに余りあります。ヘラクレスの奴、あなたを騙したのに、ちゃっかりディズニーの映画にまで進出しちゃって。

アトラス:あいつ、本当に抜け目のない嘘つきだからみんな騙されてんだよ。でも、そ~お、そ~言ってもらえると嬉しいねぇ、実はさ、隕石なんかが飛んでくるとパッとね、つかんで、ポイって投げ捨ててんの。言いたかったんだよ。

クリクリ記者:それはそれは、重ね重ね、ありがとうございます。

アトラス:なんかさ、あなた、慇懃で怪しいね。また、黄金のりんごを取ってこいとか言うんでしょ。いいよ、もう、帰ってこないから。あなたが名もない星を持てば?重いよ。

クリクリ記者:滅相もございません。それに、このところ、不老不死は幸せ?なんてモノたちは思い始めていますし。私などは非力でとても無理でございます。出来ればわたくしが代わって、たまには温泉にでもゆっくり浸かっていただきたいのですが。

アトラス:そ~ね、黄金のりんごは不老不死って言ったってさ、若返りは謳ってないから、イボイボの顔したヨボヨボの爺さんはそのまんまで、生き続けたって、たいして楽しくはないわな。それにしても温泉、たまにはいいね。疲れが取れるんだろう。こうして名もなき星を見ているとみんなさ楽しそうに温泉に浸かっているよ。

クリクリ記者:はい、露天風呂などは最高です。

アトラス:あ~、僕は露天派じゃないの。内湯派。だってさ、見て見て、肩で星を担いじゃているから、タコが、もう、カチコチで醜いんだもの。見られたくはないもん。その点、内湯なら、薄暗いだろ?それに女湯覗いちゃったりして。

クリクリ記者:そうした内湯での非行行為をなさいますと、名もなき星を担がされる上にさらに厳しい罰が加わるかと思われます。

アトラス:え~、今でも充分に厳しいのにそりゃかなわないな。今日はさ、宇宙飛行の日だから許されると思ったよ。

クリクリ記者:はい、今日が宇宙飛行の日でも内湯~非行は許されません。


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ポリポリ
大変貧乏しております。よろしかったらいくらか下さい。新しい物語の主人公を購入します。最後まで美味しく頂きます!!