映画『ひとりぼっちじゃない』のちょい考察~ホラー的に見てみたら~
映画『ひとりぼっちじゃない』とても面白かったです。パンフを読んだら考察ウェルカムっぽかったので、自分なりにやってみます。考察しなくても全然面白い映画ですが、私はこういう楽しみ方をしてみました、ということで…。
【1】宮子の名前の意味、宮子=子宮?
パンフで宮子の名前がヒントになると言及されていました。これは、宮子=子宮ですかね。
人間関係のうまくいかないススメに、安心な場所にずっといたい=子宮に戻りたい願望があって、その表れとして、宮子に惹かれて溺れていく、宮子の部屋(子宮的な安心できる場所)に入り浸るのかなと思いました。
【2】宮子は妄想?現実?
ススメが宮子の部屋で、ごみ箱?に向かってシコルスキーするシーンがありますよね(この表現で伝わりますかね…)。
ひょっとして、ススメがしていたのって実はコレで、やっていたのは想像?妄想?って思いました。
とはいえ、宮子のすべてがススメの妄想というわけでもない気はします。宮子の部屋の宮子が、基本的にはススメの都合の良い存在である一方で、劇を見た後の階段のシーンでは価値観の違いが表れます。
宮子の部屋にいるのは妄想宮子、外で会う宮子は現実宮子という解釈もアリかなと思いました。
で、宮子が想像だとすると、あの部屋は何なのか。実はススメにはああいう風に見えているだけで、実は廃墟かもしれないと思いました。いつも鍵空いていますし…。
ススメが宮子の部屋に行ったとき、謎の女の人がいたことありますよね。あの人は何なのか。確か、宮子からはスルーされていたはず。ということは現実?通りすがりの廃墟マニアですかね…。
(禍話に出てくる甘味さん的な…)
あと、宮子の部屋、ススメがのぞき見しているところで、宮子と男がいちゃつくシーンがありますね。この男は宮子と絡んでいるから妄想?
あれは劇のシーンの後でした。劇の時に宮子に男の影を見たことにより、バッドトリップ的にススメの想像が悪い方向に行ったか。もしくはススメにNTR願望があるのか…。
【3】生霊ネタは宮子にかかっているのかも?
歯医者で出てくる生霊ネタ。同じ姿で別の存在がいるという。
これはススメの生霊が何か話に関わってくるというよりは、現実宮子と妄想宮子、同じ姿で別の存在がいるということを示唆するエピソードかなと思いました。
【4】宮子と蓉子の関係性…?
ここがわかると一気に理解が深まりそうだなってのが、宮子と蓉子の関係性。ただの友人ではないと思うのですが、しっくりくる解は見つからないですね…。
ちょっと突飛ですが、一つ考えたのが、車道で寝ている宮子の横で蓉子が立っているシーン。絵面だけ見ると、轢かれた人と幽体離脱した人(=生霊みたいなもの)のようにも見えます。
蓉子は宮子の生霊説…!人格全然違うじゃねーかって話ですが、人格の別側面で、実はそういうところも持っているのかも。蓉子=宮子オルタ説…!
そんなわけないか…。
蓉子が他の人から見えなかったらそうかもとなるのですが、ラーメン屋で水出されていますしね…。見える人と見えない人がいる、というのはあるかもしれませんが…。
【5】ホラー要素もあるけど、ラブはラブ?
仮に、妄想宮子と現実宮子がいたとして、それはホラー要素だけど、やっぱり恋愛映画でラブはラブ…?現実の宮子との関係がありつつ、都合よく妄想している宮子との関係もあり、それがススメの中で混濁して…みたいな話という解釈もアリかも?と思いました。
一方で、同じ話でも、宮子をはっきりと怪異に設定したらホラー映画になりそうですね。ちょっとしたさじ加減でホラーにもラブストーリーにもなり得るところ、わずかにラブに傾いた映画って感じがしました。
いやぁ、もう一回観たいですね。DVD化待っています…。ぜひともコメンタリー付きで!