オキシドールと血液とYシャツと私
昔、週刊少年マガジンに「スーパードクターK」という作品が連載されていました。
その作品に、こんなシーンがありました。
悪いヤツに密室に閉じ込められてしまった主人公のドクターK。
完全な密室なのでだんだん酸素が無くなってくる。
朦朧とする意識の中、そこが医務室だという事に気づく。
「ならばアレがあるハズ…」
と棚を物色し、過酸化水素水(オキシドール)を発見。
「これで酸素が出来る!」
と、過酸化水素水をボールに溜め、メスで自分の前腕を切開。
流れ出た血液を過酸化水素水に垂らすと、なんとボコボコと酸素が発生。
K復活。
「そろそろ死んだ頃だろう」
と、敵が扉を開けるとそこには仁王立ちのKが。
敵をぶっとばして一件落着。
みたいな感じのシーンが。
で、
小学校3年か4年の時の話。
理科の授業で、過酸化水素水に二酸化マンガンを入れると酸素が出る、という実験をしました。
過酸化水素水は水と酸素がくっついて出来ており、二酸化マンガンが触媒となって、水と酸素に分解され、ブクブクと酸素が出てくる、との事。
「スーパードクターK」では二酸化マンガンの代わりに血液中のカタラーゼという酵素を触媒にしていました。
漫画を読んでいた私は先生に、
「人の血を混ぜても酸素出るんですよねー」
と自慢気に言ったところ、
「はぁ?出ないよ。なんで血を混ぜて酸素ができるの?」
と、完全否定。
カタラーゼが触媒となり、などとちゃんとした説明はできなかったため、
「だって漫画にあったんだもん!」
しか言えなかった当時の私。
誰も信じてくれないまま授業は進み、
「いずれ地球の酸素が無くなったらどうたらこうたら」
みたいな内容の話になった。
すると先生が
「まあ、将来酸素が無くなる頃には、肉森くんが血から酸素を作る大発明をしてくれているでしょうから」
みたいな事を言って、クラス一同大爆笑。
人に信じてもらえないって悲しい事だと実感した出来事でした。
ちなみに、当時しょっちゅう鼻をほじって鼻血を出していた私。
そのシーンを読んでからは、鼻血が出たら小皿に溜めて、オキシドールかけて酸素を発生させる遊びをしていました。