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マジカル戦士出演数ギネス記録獲得映画の感想の続き

・まだまだ続くはじめに

さっそく『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』の感想の続きを書こうと思う。前編だけでもそうとう長くなっちゃったけど心のビートは止められないので已む無し。ここからさらに文章が苛烈になっていく……


・普通の女の子だってプリキュア
―たとえバカにされたって、私は何度でも立ち上がる―

「バカだ私……忘れちゃってたのは私の方だよ……」
「みんなと出会って……ちょっとずつ仲良くなって……どんどん増えた想い出はずっとここにあるのに!」

なぎさが持っていた大切な想い出のおかげで元に戻れたほのか、そして変身しミデンと戦うキュアブラックとキュアホワイト……その姿を見て気付く、自分の中にもみんなとの想い出があると。確かに残っている心の支えがあるからこそ挫けるわけにはいかない。「なりたい自分になる」という未来を抱けたのはみんながいたからこそなのだから

『ふたりはプリキュア』は前編で話したように「プリキュアだって普通の女の子」というコンセプトで伝説の戦士としての運命に巻き込まれつつも、ごく普通の日常を決して無くしたくないために戦う等身大の中学生の描写が強かった。それから登場人物や世界観を一新しつつ放送し続け女児向けアニメでは異例の長期コンテンツになったプリキュアシリーズ。ならば築き上げた歴史から「プリキュアみたいなヒーローになりたい」と憧れる人もいるだろう。それこそ『HUGっと!プリキュア』の主人公、キュアエールに変身する野乃はながそうである

プリキュア歴代過去作品は1話だけなら東アニ公式YouTubeで無料配信しているのだ。完走した後に改めて見ると仕事の準備で忙しいのに娘の転校初日に好きなオムライスをわざわざ作ってくれたママの“エール”の意味を知ってしまい泣いてしまう…

長女とはいえ見た目まだ幼げ残りどちらかというと運動神経も学業もそんなによくない、そんな不器用なのに困ってる人をほっとけなくて悪い事に立ち向かう純真な正義感があるゆえに……こう書くと同性にモテまくる容姿に運動神経抜群のラクロス部スタメンで年相応の女子中学生として現実的に少し達観してる側面もあるなぎさとはそこそこ対照的でもある(絵のセンスはあるのが余計そう思う)

そんな平凡な娘が「イケてるお姉さんになりたい」と憧れを抱き、怪物に襲われ踏み潰される危機一髪でも赤ちゃんを守るために「ここで逃げたらかっこ悪い……そんなの…わたしのなりたい“野乃はな”じゃない!」と踏みとどまり、その自らの強い意志でミライクリスタルを掴みプリキュアとして覚醒したのだ。空から降ってきたメップルに導かれまさかのクラスメイト雪城さんと合流し敵に襲われ成り行きで変身してしまったなぎさとはえらい差だ(何度も言うがそんな偶然な奇跡が初代の魅力であるのだ)
そしてこの「普通の女の子だってプリキュア」という初代とは真逆とも取れるコンセプトこそがHUGプリの特徴だと自分は捉えてる。内外から色々斬新だの社会的だの取り沙汰されてた気もするがそれならはぐたんのう○こにもちゃんと触れろ

と変な怒りは置いといて…そうは言ってもさっきまでワンオペ育児地獄による心労でボロボロになってたように夢見がちな理想だけでうまく行くわけなんかない。現実は容赦ない、友人と比べ低スペックな自分を痛感したり、敵の大元が出てきた後に表向きは笑顔でも内心は不安抱えてたり、嫌な過去に向き合うハメになったり……そんな普通の女の子としての壁に当たった時に励まして前へ進む応援してくれたのが同じプリキュアとしての仲間だったのだ。

その仲間は今は記憶を奪われて自分のことを忘れてしまったかもしれない……それでも一緒に過ごした時間は、素晴らしき想い出は自分の中に残っている。それがあれば立ち上がれる!一番最初に変身したあの時のように、大切なみんなを守るために!私の「なりたい自分になる」!

「私は一人なんかじゃないのに……これしきのことで…心折れるとか……


「わたしのなりたい“野乃はな”じゃない!」

劇中挿入曲『リワインドメモリー』が流れ再び立ち上がる。目にはまだ涙が残り未だ立つのは光差さぬ暗き日影、それでも「フレーッ!フレーッ!わ!た!し!」と自らを応援し奮い立たせキュアエールに変身しミデンと戦う!1話の際より確かに成長した引坂理絵さんの魂の叫びに心震える!

「わたし…もう負けない!あなたにも、自分にも!キラキラ大切な想い出が、みんなが私を支えてくれてる!だから……なにがあってもふんばれる!踏ん張ってみせる!」

みんなとの記憶があるからこそ戦える彼女の姿を見て自然と応援する記憶を奪われた筈の仲間たち。先程のほのかと同じパターンでミラクルライトの力で記憶を取り戻し元の姿に戻り(この時ちびマシェリを片腕で抱えるちびアムールの構図がかわいすぎるんですよ)5人揃えばこっちのもんと合体技でサクッとミデンをふっとばす!これが積み重ねた時間で掴んだ絆の力だ!!

余談だけど二人でなければ変身できないシステムで「ほのかがいなきゃダメだから」と叫んだなぎさと、一人でも変身できるシステムで「みんながいるから一人でも立ち上がる」と叫んだはな、ここでもうまい対比である。話の構成がうますぎる。

・無限の闇
―ボクはそれすら知らない、習ってないよ―


それでもしぶとく戻ってくるミデン。奪った記憶をまだ自分のものみたいに言い張る彼に「もともと持ってない想い出なんて絶対あなたの物にならないんだから!」と怒りの正論を言うも「ボクは……ボクだって……」と激しく動揺しキュアブロッサムの例の台詞を拝借して怒りを表明、はなのデジカメの画面を割りさらにはプリキュア以外の人間の記憶も無差別に奪っていき……(よく見るとみんな大好き一条らんこもいるぞ)

そして天井高くせり出され聳え立った巨大な岩の塊。エアーズロックより遥かにでかい。これから彼の正体に迫るが、それでよくこんな大スケールなことできたもんだ。それはともかくやたらめったら記憶を奪われ大人がみんな幼児化してしまったら社会崩壊してしまうとマシェリの危惧その通りで洒落にならない被害である。なんとしてでも取り戻さねば……ここからは東アニのCG技術をこれでもかと用いたCGアニメパート。宮本浩史さんの本領発揮でもある

中は奪われたプリキュアの記憶から作られた巨大なアニマルスイーツがあったり巨大なモフルンがいたり……

お気づきの方はいるかもしれないがこれらは今までのプリキュアで作られたCGアセットを使い回してたりしているのだ。ちなみにクレジットに齋藤彩夏さんが掲載されてるのでモフルンの声は出番これだけでも新規収録。さすがプリキュア大投票キャラクター部門1位、破格の待遇である。MAHOガールズ出るならばモフルンは出し得。オールスターズDX2のみのりちゃんみたいなもん。声一緒だし


そしたらはぐたんがアニマルスイーツの皿に彫られた穴に落下してしまい……慌ててハリーが追ってクッション代わりになるも落ちた先には多数のベイビープリキュア達が!みんな記憶を奪われたとも知らずに童心のままキャッキャ遊び合ってかわいらしい。小さい頃の記憶は残ってるが幼馴染同士ならお互い認識してたりするものなのだろうか…

もはや保育園状態。かわいい。

一方場面は合流したプリキュア達7人。光は差すものの全体的に暗く寂しい部屋でステンドグラス状にされたプリキュアの記憶の山積みの真下に置かれたカメラに気付き…
「これは!幻の!【MIDEN F markⅡ】!!」なんかものすごい速度で解説を始めるキュアアンジュ!有栖川か!後半に至っては早送りで聞き取れない!どうやら発表後すぐメーカーが倒産して市場に出回ってるのはごく僅かというレア物だそうな。MIDEN……もしや……

「見たな……!」
MIDEN F markⅡから現れるミデン!それこそが彼の正体……いわばカメラの幽霊、付喪神といったところだろうか。意識を持った物品が騒動を起こすといえばトイマジンやクラリネットが真っ先に思い浮かべるが、記憶あるからこそ憎しみに燃えた双方と違い彼の場合は真逆で…

「暗い箱に閉じ込められたまま何十年……誰にも使われずたった一人でただただ朽ち果てて往く……そんな気持ちがお前達に分かるか!!」
「空っぽのまま一生を終えたボクの絶望……お前達に分かるまい!!」

「想い出が無いって……楽しいこと…嬉しいこと…ひとつも無いってこと…?生まれてから今まで寂しいとか苦しいしかそんな気持ちでいっぱいだったってこと…?あんな辛い気持ちがずっと続いているってこと……?」
「ううん…あの時わたしにはハリーもはぐたんもなぎささんもいた…家に帰ればパパもママもことりもいる……学校行けば友達もたくさん……」
「“なにもない”って……どんな気持ち…………」

ミデン。ギリシャ語でΜίντενとなり“0”を意味する。彼にはフォトジェニックな景色を、記録に残る出来事の瞬間を、被写体の笑顔をレンズ越しに見れず感じることが出来なかったのだ。画面を割られたデジカメ、たくさんの想い出詰まった幸せなカメラになれなかった哀しみ、デジカメの持ち主が再び立ち上がった際のあの言葉……彼にはそんな大切な想い出が、心の支えがそもそも存在しないのだ。他のプリキュアが戦う中でキュアエールは、野乃はなは動けなかった。なぜなら彼女は……

初代を見てた皆さんにはご存知かと思いますがマーブルスクリューは浄化など生ぬるいことはせず闇に還す文字通りの必殺技です。浄化技にはレインボーセラピーがあるけどそっちを用いてません。つまり“ガチ”です。そういう容赦のなさも初代の魅力!(追記:同じく香村さんが書いたヒープリも敵へは容赦なかったね…まあビョーゲンズってコミカルな部分あるとはいえ根はめちゃくちゃ悪辣やし…)

気付けば伝家の宝刀マーブルスクリューを放とうとするふたりを止めてしまい幼児退行ビームを食らわせてしまい、更には奪いたての能力からのマーブルスクリュー返しを受けてしまう!そして残る5人も一斉にやられてしまい……

そっか……これがミデンの心の中……本当になにもない……なにもないからふんばれなかったんだ……一人で…落ちていくしかなかったんだね……




・みんなの想い出をエールに乗せて
―ありがとう。あなたが見てくれたおかげでわたし今こんなに幸せだよ―

プリキュア55人、全滅。なんということだ……(こんな時に悪いがステンドグラスから覗き込み絶句するはぐたんの「はぎゅ…ヒッ」がめっちゃかわいい)もうプリキュアはいない……と思ったがいる!幼児化されてしまった歴代プリキュア達が!それなら彼女たちの想い出さえあれば……あかん!未来から来たハリーとはぐたんはそんな過去のプリキュアについて全然知らない!MOVIE大戦ジェネシスにてミケランジェロとラファエロの知識が無いから彼らの眼魂が使えなかったマコト兄ちゃんと詩島剛を思い出してしまったのは自分だけでいい。

詰んでしまった状況に響き渡るミデンの高笑い……もう泣くしかない……とその時、はぐたんがなにかに気付き前へ……違う。これはスクリーンに、第四の壁に、つまり映画を見ている我々に気づいたのだ!この流れはもしや……

とても真面目なシーンなんだけど5本指がくっきり生えてるハリーの絶妙なキモさに目が行ってしまう。そりゃ実際のハムスターも物を掴むため手の指くっきり生えてるけどまさかあんさんもか…

「みんなはどのプリキュアが好きや?キュアエールか?キュアアンジュか?他にもたくさんおるで!キュアホイップやキュアミラクル、キュアフローラやキュアラブリーや…プリキュアはたくさんたくさんおる!」
「一人じゃなくてええ、今まで好きだったプリキュアの名前ぜんぶ呼んだってくれ!テレビの前で一生懸命応援してくれた時のとこ、プリキュアのかわいかったとこ、かっこよかったとこ…なんでもええからたっくさん思い出してくれ!!」
「君らが応援してくれた想い出が、この娘らを元に戻してくれる……みんなが大好きだったプリキュアを蘇らせるんや!」

マジか。これをやらせてくれるのか。映画を見てる自分たちにも。プリキュアを見ていたからこそ存在する“キラキラ大切な想い出”を。マジなのか。自分たちの想い出で。

たしかにプリキュア映画といえばミラクルライトによる視聴者参加パートが存在する。みんなの応援を奇跡に変えて大逆転するという、視聴者を劇中に呑み込みみんなを守るプリキュアを助ける一員に加わる臨場感を味わえる大切な要素だ(そしてメイン視聴ターゲット層の幼児を飽きさせないためでもある)。そして記憶を奪われようともなぎさの持つ想い出で復活できたほのか、みんなとの想い出があるから立ち上がれたはなの勇姿で同じように思い出して復活できた4人。さらにこの映画は久しぶりのプリキュアオールスター映画で歴代プリキュアが総出演する、そんな彼女達が記憶を奪われ大ピンチ……つまりである、ミラクルライトがあれば映画を見ている視聴者が持つ大好きな歴代プリキュアの“想い出”でみんなを復活させられるのだ。こんなん……ズルいでしょうが!!!!最大級のサプライズ。泣くしかない。自分たちが見ていたプリキュアが、時には笑い、時には泣き、時には魂奮わせ、人によっては「心の支え」「プリキュアに命を救われた」と大真面目に感じてるあのプリキュアを。今このスクリーンで見ている自分たちが。それを心の底から思い出させてくれる。キラキラ大切な想い出を。それが自分を救ってくれたプリキュアを復活させられるのか。マジか。マジなのか…………………………

興奮のあまり怪文書の類が発生してしまった。しかしこの映画を見ている人のけっこうな割合でそう感じただろう。自分たちが見てた、大好きなプリキュアへの恩返し。それをこんな形で達成できるのである。余談だが放映開始からちょうど一ヶ月後の2018年11月27日に新宿バルト9にて開催された神木優P&宮本浩史監督のコメンタリー付き上映へ参加したのだが、この応援シーンで神木Pが「あらあら〜?みんなが応援してくれなきゃプリキュアが復活しませんよ〜?」と夜に開催したので大人ばかりの館内で心置きなく自分も声を上げてプリキュアを応援できた。土日祝は休み取れないイコール深夜の最速上映会には参加できない自分の休日と重なってくれた奇跡に感謝……俺の想い出で復活できたんだ……ありがとう……

みんなの想い出を奇跡に変えて復活できたプリキュア達!!!みんな!ありがとう!!しかしキュアエールは……まだミデンの中に自らの意志で居座ってた。自分が出てしまったらまた彼を一人にしてしまう、何も無い哀しみを知ってしまったから、自分にはその哀しみが分かってしまうから、だから……

ミデンに手を差し伸べんとするエールを見て助けようとする54人のプリキュアたち。そこにミデンから湧き出た憎悪の集合である250万体もの小さき分身が襲いかかる!東映のCGエンジンの限界への挑戦!それを倒すは54人のプリキュア!自分たちの想い出で復活した彼女たちが!再びスクリーンで!!なんなんだよこの映画……こんなのされたらさぁ……もうさぁ……
プリキュアたちの一言一言にこの目で見てきた記憶を想起させる!みんなそれぞれ持つ「大好き」で成り立つからこそのキラキラ☆プリキュアアラモード!キュアフェリーチェといえばで再び使われるピンクトルマリン!水晶引っこ抜いて叩きつけるキュアフローラ!もう隠す気ゼロのスタッフの明らかなマカダミアフラダンス好き!規模がおかしい爆炎と対象が可燃した証拠である黒煙を巻き上げ大量殲滅する火力を誇るラブリービームを放つキュアラブリー!愛を知らない悲しいカメラさん!私たちプリキュアがあなたのドキドキ!取り戻してみせる!みんな笑顔でウルトラハッピー!CGから作画に代わりイケメン度すさまじいキュアメロディ!オールスターだけど今回は出番少なめ、でも一瞬だが顔芸はきっちりこなすキュアマリン!おしりパンチ!ラッキークローバーグランドフィナーレ!私は知ってる…なにも持たない自分でも変われるって……!すべてのものに命は宿る……だから手を差し伸べたい!エキストリーム・ルミナリオ!そして……

フローラ謎のクリスタル殴打。邦キチでも取り上げてたけどそんな戦闘スタイルだったっけ!?でもGoプリ本編も担当した神木Pは「はるはるの飛び散る汗に拘ったのですよ〜」とそこにはノータッチだった。本当になんなんだ……こういう荒っぽいのはラブリーがやるもん……


すいません、当のラブリーはもっととんでもないことしてました。本編当時より明らかにビームの殲滅力が上がってるんですが!?ハピネスチャージプリキュア知らん人はこの大火力ぶりに引いたかもしれないが安心してください、こんな圧倒的暴力ぶりをかましつつも本編での敵は全て救済するハートフルな話です。本当です信じてください。

思えばキュアドリーム/夢原のぞみもそのカリスマ性から教祖とかよく言われるが、本編を見れば分かるとおり最初は何やってもダメな夢を持てぬ少女だった……そんな彼女がみんながいるから夢という未来を持てたのだ、だからこその「私は知ってる…何も持たない自分でも変われるって…!」のセリフの重みがすごすぎる。ココに詳しく書いてるのでよろしくな

ミデンの分身250万体、完全撃破。やはりプリキュアの本気はすごい。そして分身がやられ弱ったミデンの中にヒビが……エールは向かう、きっとここに彼の深層心理が……

・見上げる星、それぞれの歴史が輝いて
―たくさんの素敵な出会いが、大きな成長と新しい旅立ちに繋がっていく―

レンズのように膨らみをもった地面に写るはなの記憶……ひび割れから射し込む光のおかげで見えるが、本来ならそれすらもなかった無限の闇の空間だったかもしれない。それが覆う中で止まぬ涙のような雨が延々と降り注ぐ。てるてる坊主のような姿で記憶を埋め合わそうとしたのはそういうことなのだろう。ミデンは何十年とこの空間に居続けたのだ。人なら狂う

「ミデンはえらいね……ずっとこんなじゃ、冷たくて凍えて動けなくなっても仕方ないのに……自分でなにかを変えようとした……でしょ?」
彼女の記憶として写るあの過去、友達のエリを持ち前の正義感でいじめから庇った結果、陰惨な仕返しとしてクラス中からいじめに遭い転校を余儀なくされるまで追い込まれた過去……キュアエールには、野乃はなにはミデンの“無”が想像できてしまったのだ。自分もあの時一人ではどうしようもできなかったから。

画像2枚目は『HUGっと!プリキュア』23話「最大のピンチ!プレジデント・クライあらわる!」より。このあたりの彼女のつらい記憶もミデンのレンズに写っていた……余談だが映画後半のCGパートはアニメ以上に多大なる労力がかかるせいか本編開始より前に製作を開始し、音声収録などもしていたそうな(ルールー役の田村ゆかりさんとえみる役の田村奈央さんの初登板はこちらなくらい)そう考えると本当にうまい具合にエールがミデンを助けたい理由の落とし所を見つけたものである

だからこそミデンを抱きしめる。あの時ママがしてくれたように。そしてこれから彼との“想い出”を作ろう。素晴らしき日常を、キラキラな記憶を。自分のように。未来へ進めるように……闇の空間が割れ光が溢れる。そこにはみんながいた。自分含めた55人のプリキュアが(ただでさえCGで大人数を同じ画面で動かすのはマシンスペック的にも人為作業量的にも想像を絶する大変さなのに髪のなびき方も縦と横の2方向用いるので倍の110パターン作ったというとんでもない裏事情があったり)

そしてプリキュア55人はミデンのこれからの未来を応援するために、彼女達が見てきた“想い出”を彼にもシェアする。プリキュア・レディースシャイニングメモリー……夜空に浮かぶ無数の記憶。プリキュアが歩んできた時間そのものが写る……トドメの一撃として叩きつけられる今まで自分がこの目で見ていたプリキュアの映像が脳内にもなだれ込む。これは質の高い走馬灯か?こんなの……こんなん…………

壮観すぎる場面。みんなそれぞれいろんな物語がありました。みんなと過ごした大切な日々。でもそれだけではない、時にはつらい事だってある。それでもみんながいたから、みんなとの“想い出”があるから乗り越えて今があるんだ……


暖かな記憶に包まれ浄化される亡霊。これからもっと、これ以上の想い出いっぱい作ろうね。後日修理されフィルムも装填されたMIDEN F markⅡ(メーカー倒産したから部品交換できないだろうしよく直せたな)で撮影されるプリキュア達みなさん。DX3でもやってたバドミントンも忘れない。これからも彼は多数の想い出を撮り続けるだろう。ミデン、君の未来は明るい。

・おわりに

発表時はどんな大作になるかとワクワクして見たが出されたのは想像を超えるとんでもない映画だった。タイトルに含まれてるとおり『ふたりはプリキュア』部分をしっかり描いており初代最強説を払拭してくれたので無限の信頼を置いてから多大に見せつけるなぎさとほのかが歩んできた確かな歴史、マジカル戦士総出演ギネス記録獲得したプリキュア全員声あり出演(これだけで出演料のギャラがとてつもない額になってそう)の台詞ひとつひとつで想い起こさせるプリキュアを見ていた記憶、そしてこんな過去作が意義ある存在感を発する中でも『HUGっと!プリキュア』の野乃はなの物語を、彼女だからこそミデンを救えたというのをしっかり描いてくれたこと。特に「プリキュアだって普通の女の子」と「普通の女の子でもプリキュアになれる」という双方の作品の対比を際立たせていたのには称賛したい。
こんな詰め込みすぎてるのにうまい具合にまとめたのがすごすぎる。記憶補正抜きにしても単純な映画としての完成度が高い。ただでさえプリキュア映画は70分と尺が短いのにこんな多大なタスクよくまとめたわ

記憶補正抜きでもいい映画なのにそこからさらにプリキュア見ていた想い出をミラクルライト振るという恒例イベントでブーストかけるからさらに加点されるというものだ。強制加点イベント。自分たちでプリキュアを復活させられたと見ている人も物語の一部になれた。こんな経験他にない。ありがとう。感謝しかない。

いつもはTwitterで呟いてる人間だが時には140字という制限では収まりきれないのもあるとのことでnoteを始め、その初めての文章がこのような長文感想である。ここまで見ていただきありがとう。また気分によってはこのようなの書くと思うから気が向いたら見てほしい



オマケその2


彼女じゃなくて本当によかったなミデン……

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