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【傷だらけのカルビ物語:3】カルビは拙速を尊ぶなり

こんにちは。

肉汁マスター イケタカです。

ダメ経営者Rの欺瞞によって、
波乱含みの幕開けとなった開店初日。

最後のお客様をお見送りし、
どうにか営業を終えました。

しかし...

煮えたぎる僕の頭を、
一瞬で冷静にさせたあの言葉...

「カネの支払い済ませました」

について、Rに問い正しました。

僕「肉屋に支払いは済んだ、って?」

R「もうキッチリ(笑)」

僕「...」

R「完全に赤字ですけどね(爆笑)」

そうなのです。

Rがコッソリ仕入れた肉は
僕が考えていたバラ肉に比べ、

なんと3倍の原価。

言葉は同じバラでも
高級焼肉店御用達、極上肉。

[肩バラ]だったのです!

売ってトントンは愚か
粗利ベースでも一皿売れる毎に、
マイナスは売値の2倍を超えるのです 涙

僕「タレうんぬんは差し引いても
  これ、一体どういう計算?」

R「イケタカさん、分かってないな」

僕「はっきり言えよっ!」

R「もう殴らないでくださいよ〜(苦笑)
  商いはね、損して得取れってね。」

確かに。

Rの言わんとすることは分かります。

コレを食べたお客様は、
タレうんぬんなど知るはずもなく

「うわぁ柔らか〜い」

上々の反応でした。

しかし、一皿売る毎にマイナス2倍。

他のメニューの利幅で
リスク回避するとしても...

バカ高すぎる仕入れコスト
経営に悪影響を及ぼすのは必至。

そしてRは、高笑いで続けます。

「新規開店ですから他と同じじゃアウト、目立ちませんよ」

競合店の相場の半値で食べられて肉質は3倍以上!!

「これならどこもマネは不可能でしょ?」

【カルビは拙速を尊ぶなり!】

 手順を間違えたり、
 少々、手間がかかっても、
 まずは手早く勝利を掴むのが一番

 疾(はや)きこと風の如く、
 徐(しず)かなること林の如く、
 侵掠(しんりゃく)すること火の如く、
 動かざること山の如し。

「イケタカさんこれまた、孫子の兵法ですね」

「名付けて、街の焼肉シェア総取り
 一人勝ち大作戦!ワハハハハハ〜」

それにしても、孫子、孫子と、
大きく風呂敷を広げたものです。

いくらなんでもヤリ過ぎ、無謀です!

孫子はそもそも手段を選ばず
サッサとヤレって意味で言ってませんし。

※拙速を尊ぶ?
適切な解釈を見つけました↓
https://fujii-yuji.net/2016/12/theartofwar.html


孫子かぶれRの愚策...
聞いてるだけで頭痛がしてくる中、

Rの暴走を止めねば!と
反撃の一手を考えていたところ。

かつて僕に、
肉の全てを伝授してくれた
横浜の大先輩Mから、
一本の電話が入ったのです。

Mは食肉処理の
プロ中のプロなのです。

肉の切り方一つで
お客様のハートを掴み、
店に多くのお客様を
来店させてしまうばかりか、

店の収益を
上向きにするメニュー、
アッという間に作ってしまうのです。

横浜の修行時代、
それを目の当たりにした時、

「凄い、本物の肉汁使いだ!」

と思いました。

僕はMから入った電話で
いま店で起きている惨劇を伝え、
幸運にも本物の肉汁使いに
アドバイスしてもらうことになったのです。

つづく...

【次回予告】

傷だらけのカルビ物語4
・風林火山のその後

傷だらけのカルビ物語5
・ア○街ック天国(から地獄へ)

7月25日(火曜日)
17時00分に配信します。

今日も最後までお読みいただきありがとうございます。

厚切りと魂のカルビには
人生を極上にするパワーがある!

肉汁MAX!!!(謎)

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