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「ルージュの伝言」の正体は?

ジブリの名作「魔女の宅急便」でおなじみの「ルージュの伝言」の歌詞が、結構怖いことに気づいた。

きっかけは同僚に教えてもらったpodcast「どうせ死ぬ三人」。この曲の歌詞について考察する回があったのだ。

私のこの曲のイメージといえば…

パーソナリティの1人が言っていた「俺、歌詞のイメージ全くなかった!黒いワンピースを着た女の子がホウキにのってラジカセをかけて街を見下ろしながら飛んでいる情景しか思い浮かばない」と全く同じだった。無邪気で爽やかな曲調のイメージしかなかったのだ。

それが歌詞をみれば、「彼氏の浮気を知った女の子が彼のママに言いつけて叱ってもらいに行くってコト…?」と衝撃を受けた。

あのひとの ママに会うために
今ひとり 列車に乗ったの
たそがれせまる 街並や車の流れ
横目で追い越して

あのひとは もう気づくころよ
バスルームに ルージュの伝言
浮気な恋を はやくあきらめないかぎり
家には帰らない

不安な気持ちを 残したまま
街はDing-Dong 遠ざかってゆくわ

明日の朝 ママから電話で
しかってもらうわ My Darling!

あのひとは あわててるころよ
バスルームに ルージュの伝言
てあたりしだい 友達にたずねるかしら
私の行く先を

不安な気持ちを 残したまま
街はDing-Dong 遠ざかってゆくわ

明日の朝 ママから電話で
しかってもらうわ My Darling!
しかってもらうわ My Darling!

「ルージュの伝言」作詞・作曲:荒井由美

リスナーからそれぞれの解釈を募った回があり、これまた三者三様の解釈で面白い。

ひとによって解釈が分かれるポイントはいくつかあるが、特に「ルージュは誰のもの?」「伝言の正体は?」の2点が争点になるよう。面白いので、わたしの解釈を書いておく。

ルージュは誰のもの?伝言の正体は?

「ルージュの伝言=浮気相手のルージュで、バスルームの鏡などに書き殴られた何かしらのメッセージ」なのでは、と思っている。

ルージュの持ち主について

解釈としては「語り手の女の子のもの」または「浮気相手のもの」のどちらかを挙げる人が多いのでは。

私の中では「彼の浮気を彼のママに叱ってもらおうとする女の子」って、幼いしたたかさを持っているように感じる。「ルージュ」という女感たっぷりのアイテムで衝動的に何かを残す、という行動と幼さに隔絶を感じる…

それよりは、彼が気づいてあわてるくらいわかりやすい証拠(浮気相手のルージュで残された明らかな証拠)の方が個人的にはしっくりくる。

「残されたなにか=伝言」とは

浮気相手のルージュそのものがバスルームに置いてあるだけだったら、彼は慌てない気がするんだよねえ。(だって2人の女のルージュの違いが分かるような男だったら、もっと上手くやってるだろと…)

個人的には、ハートマークの相合傘の下に浮気相手と彼の名前が書いてあるみたいな、呆れるほど分かりやすくて幼稚な落書きなんじゃないかなと思う。

ルージュの伝言がリリースされた1975年の男性の平均初婚年齢は27歳。女性は24.7歳。おそらく語り手の女の子と「あのひと」は同棲していて、彼の母とも面識があるくらいなので結婚を意識するくらいの年齢なんだろう。

女の子が彼のことを「あのひと」とよぶことから、彼女の方が少し年下なんじゃないかなあ。たぶん26歳前後の男と23歳前後の女のカップルな気がする(この時代の男女で同棲するのは珍しいかもしれないが、もし結婚している夫婦で発覚した不倫の曲ならこんなにポップな曲調にはならないよね…)。

浮気相手の彼女は語り手と同い年だとしたら23歳前後だが、同棲している家に上がり込むような無邪気さと浅はかさからなんとなく20〜21歳そこそこくらいなんじゃ?と思う。(※もちろん若くても思慮深い人はたくさんいる)

なので、めちゃくちゃ幼稚な「伝言」を残しているんじゃないかな〜ハートマークの相合傘とかかな〜と勝手に思っている(※なお、私の中で「幼稚なライバル=めぞん一刻の八神いぶきちゃん」の図式が出来上がっているので、八神のハートマーク相合傘に引き摺られているのは否めない)

ちなみに、先述のpodcastに寄せられたリスナーの解釈「伝言=彼のシャツにつけられたキスマーク」は天才かと思った。まさしくルージュの伝言じゃん…!

そして、別のリスナーからの「浮気相手のルージュがどこのブランドのものか知りたい。ブランドがわかればどんな女か想像がつくので」にも笑ってしまった。いや分かる。なんとなくだけど、ルージュの持ち主が語り手の女の子・浮気相手のどちらだとしてもシャネルのそれではなさそう。これは完全に偏見だが、シャネルのルージュの女は彼のママに言いつけたりバスルームに伝言を残すなんて回りくどいことをせずタイマン張ってきそう(偏見です)

どっちにしろ、「あのひと」はろくな男じゃないから早く別れたらいいと思う。だって(たぶん)家に浮気相手を連れ込む男で、「彼のママに言いつければヨシ」と思われている時点でおそらくマザコンな男だから…そして私の歌詞の解釈だと、語り手と浮気相手の女の子の両方を見るに女の子の趣味もそんなにいいとは言えない気がする。ごめんな!

ちなみに、他にも震えた解釈が。繰り返し出てくる「街はDing-Dong 遠ざかってゆくわ」のフレーズについて。「Ding-Dong=鐘の音」らしく、鐘=チャペル=結婚の暗喩だとすると、あのひととの結婚が遠ざかっていくことを示しているのでは…?というもの。怖い!

この曲の怖さ
改めて歌詞を見てみると、幼稚さと大人を思い起こさせる要素が混在しているのがめちゃくちゃ怖いなと思う。

結婚とか浮気みたいな大人の世界の話と、浮気を彼のママに叱ってもらったりその後に及んで「ダーリン」と呼ぶあどけなさが同居している、そのアンバランスさが怖い。

でも、だからこそ魔女の宅急便の主題歌なのかなーとも思う。魔女の宅急便は、キキが少女から大人になる話なので…

せっかくなので

noteのみなさんの解釈も聞きたい…!ぜひ #ルージュの伝言の正体  で投稿してください〜🐈‍⬛ 覗きに行きます。

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