下戸の私と酒の出来事
前回のnoteは、日本の新酒ワインについて書いたものだが、拡散していないので当然の事ながらほぼ誰にも読まれる事無く3年経った。
で、今回のnoteの内容だが、前回に引き続き酒の話をしようと思う。
下戸なのに酒に拘るのはおかしなものだが、私はそもそも酒が嫌いなわけではない。
学生の時に無理矢理飲まされて死にそうな目に遭って以来芋々な焼酎の臭いが苦手なだけで、近年の芋臭くない焼酎は凄いし、日本酒もウイスキーもワインも本当に美味しいと思う。
ただコップの底にちびっと入れて舐めるように飲んでは酔って寝てしまう体質なのと、日常の移動がほぼ原チャリのため、うかつに外で試飲すら出来ない。
ではどうしているかと言うと、ネットの評価を頼りに、最少の容量(大体は720mI瓶)を購入しては、自宅でちびりちびり飲んでいるわけである。
勿論飲みきれる量ではないので、料理にも使って徐々に消えていくのである。
お酒を作っておられる方・お酒の好きな方から見れば、本当に勿体無い事をしているのは充分自覚しているのでその辺はどうかご勘弁願いたい。
しかしながらこれが私なりの最大級の楽しみ方なのである。
先日、とある酒屋の前を通りかかったところ「しぼりたて酒粕入荷しました!」という貼り紙がしてあったので立ち寄った。
埼玉の『力士』という日本酒の酒粕が1袋400円。
甘酒でも作ってみようかと思い立ち購入してみた。
いつも商品としての甘酒しか購入した事がなかったので、味噌濾しに入れ、摺りこぎで酒粕を潰しながら水に溶き、小鍋で温めて飲んでみた。
!!!
こ、これは酒!
これは万葉集の貧窮問答歌で山上憶良が歌った糟湯酒(かすゆざけ)なのではないか。
よもや万葉の時代をここで味わう事になろうとは。
風雑(ま)じり 雨降る夜の雨雑じり 雪降る夜は術(すべ)もなく 寒くしあれば 堅塩(かたしお)取りつづしろひ 糟湯酒 うち啜(すす)ろひて 咳(しは)ぶかひ 鼻びしびしに しかとあらぬ
そして案の定、酔ってしまった。
万葉の時代を感じながら酔うのもまた一興。
下戸もたまには悪くない。
検索してみると、酒粕にはアルコール分が8~11%くらい残っていて、甘酒にするにはしっかり火を通して飛ばさないといけないらしい。
後から再び火を通し砂糖も加え甘酒は無事完成。
美味しくいただいた。