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掃除のおばちゃん

職場で掃除のおばちゃんとすれ違うとき、お疲れさまです。と声をかける。
おばちゃんはいつも「はーいお疲れさま〜」と返してくれる。

今の職場で働き始めてもうすぐ丸2年が経つ。
社内で仕事以外のことで話す人は少なく、楽だからお昼を食べる時はいつも一人だ。転職して入社したので、話せる同期も特にいない。人間関係で煩わしい思いは今のところしていないが、その代わり楽しいことも特に無い。完全に仕事とプライベートを割り切って過ごしている。

ずっと事務所に居て座って仕事しているのも地味に辛いので、時々席を立って少し息抜きをする。その時にたまに話すのが掃除のおばちゃんだ。声や話し方が可愛らしい方である。
話すことは特になんてことのない、コンビニのあの冷食が美味しいやら最近あのコンサートに行ったとか。そういう話をしている時は仕事モードの自分を少しだけ電源オフに出来て気が休まる。
私はきっと人が好きだし、本当は内容のない会話を誰かと沢山したい。
話していないだけで、はちゃめちゃに面白い人とかいるんだろうなぁ。

数ヶ月前におばちゃんが今年度で仕事を辞めると聞いた。もう歳だから〜と言っていたけど、話す人がまた一人少なくなってしまう、おばちゃんの近況を聞けなくなってしまうのかと寂しく思った。
年度末が近づいてきたのでそれとなく聞いてみたところ、どうやら形態は変わるけど仕事自体は続けるとのこと。無理はしてほしくないけど、また毎朝挨拶できることにほっとした。
おばちゃんが仕事をしている間になにか良い報告出来ないかなぁ。今度すれ違った時に誕生日はいつか聞いてみようか。

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