《超超短編》ゾンビハンター
私はゾンビハンターだった。
凄腕のハンターとして、激闘に明け暮れる日々が続いた。そんなある日、思いもよらぬことが起きた。妻が感染したのだ。
悲しみにくれる暇もなく、妻は私に襲いかかってきた。しかし、その動きは非常に鈍く、力も弱かった。外見はさほど変わっておらず、白目を剥いてふざけているだけのようにも見えた。
妻が襖を開け、部屋から出ようとするたびに、私は静かに襖を閉めた。何度も何度もそれを繰り返しているうちに、私は胸が張り裂けそうなほど妻を愛おしく思った。
私はゾンビになった妻も愛していた。妻も私を愛していたのだと思う。