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【雑記】Xアカウントを削除しました。

こんにちは、ニコライです。今回は【雑記】です。

先日、1年と4ヶ月ほど利用していたX(旧Twitter)のアカウントを削除しました。今回はなぜXアカウントを削除するに至ったのか、その経緯をまとめたいと思います。


1.イーロン・マスク氏の危険性

僕がXアカウントを削除した大きな原因は、Xの危険性を強く感じたからです。直接のきっかけとなったのは、X社の所有者であるイーロン・マスク氏の下記のポストです。

「アメリカはその暴虐な政府からイギリスの人々を解放するべきである」

マスク氏はX社のみならず、テスラ社、スペースX社など複数の企業のを所有しており、しかも、次期トランプ政権では新設の政府効率化省のトップを務めることになっている人物です。そのような人物が、特定の国の政府を名指しで恫喝するような発言をするとは、どういうことでしょうか。マスク氏の言動はこれにとどまらず、ドイツの極右政党AfDに対するあからさまな支持を表明するなど、ヨーロッパ各国に対し、露骨な政治介入を表明したり、攻撃的な発言を繰り返しています。

果たしてこのような人物が所有するSNSを使い続けていいものだろうか。マスク氏の一連の言動を目の当たりにした僕はそう考えました。私企業のトップであり、もうすぐ公人となるような人物が、民主的に選ばれた他国の政府へ介入することが、しかも自分自身が所有するSNSを利用して攻撃することが、果たして許されるのでしょうか。そして、このような人物の提供するサービスを利用することが、果たして倫理的に許されるのでしょうか。

こうしてマスク氏のポストをきっかけに、僕はXに見切りをつけることを決断しました。

2.ヘイトとフェイクの増大

上記の出来事は、あくまでも僕がXに見切りをつけた直接的なきっかけです。実を言うと、それ以前からXに対する不信感は僕の中で増大していました。その大きな原因は、近年のXにおけるヘイトとフェイクの増大です。

旧Twitter時代から、あるいはそれよりもずっと以前から、ネット上では特定の人物や集団に対するヘイトやフェイク情報の拡散が行われてきました。僕は長年ヘイトやフェイクを拡散する人々を観察したり、接触してきた経験から、彼らを論破したり、相互理解に達することは不可能であるという結論に至っていましたが、偽情報に対してはしっかり反論すべきだという態度をとってきました。僕がnoteを書き始めたのも、ウクライナ戦争勃発に伴い偽情報が拡散したことに対抗するという目的がありました。

しかし、こうしたヘイトやフェイクに対処するのには、個人ではどうしても限界があります。SNSは何よりもフォロワー数がものをいう世界。僕のような弱小個人アカウントがいくら反論したところで、数千以上のフォロワーのいる相手の論点ずらしみたいな反論がRPされたり、いいねされたりするだけで、実に虚しい気分になります。

ところが、X社はヘイトやフェイクの規制に対し、あまり乗り気ではありません。マスク氏自身、ファクトチェックなどには否定的であり、むしろ、広告収入目当てでインプレッション(閲覧数)稼ぎをさせるなど、偽情報が拡散しやすい環境を整えているようにしか見えません。ある調査では、マスク氏による買収以降、信頼性の低いコンテンツを拡散する著名なアカウントによるエンゲージメント(RPやいいねなど他のユーザーの投稿に対するリアクションのこと)が50%以上も増加したという結果も出ています。

こうしたフェイクやヘイトの拡散と、それに対するX社の態度が、僕の中でXへの不信感を増大させていきました。

3.X離れは加速するか?

Xへ不信感を抱いているのは僕だけではないようです。今年に入り、ドイツでは60以上の大学や研究機関、さらにドイツ国防省が一斉にXの利用停止を発表フランスではパリ市が同様にXの利用停止を発表しています。利用停止理由はいずれも「公正で民主的な議論を促進する責任を果たしていない」、「「客観的な意見交換」の難しさが増している」、「偽情報や暴力的発言を助長している」といったものです。

さらに、EUレベルでも、偽情報拡散を抑制するよう、Xに対する監視を強化することを発表しています。

マスク氏に名指しで攻撃されている欧州各国の危機感はそれほど強いものなのでしょう。しかし、Xのアクティブユーザーは5億人と言われており、間違いなく世界でもトップレベルに巨大なSNSとなっています。世界中の公的機関や企業がこうした便利なツールを簡単に手放すとも思えません。単なるマスク氏 VS EUの対立だけで終わってしまうのか、それとも世界中でSNSの在り方を考える契機になるのかはまだ確かではありません。

4.今後について

さて今後の活動については、基本的にBlueskyを使用していきたいと思っています。Blueskyは以前にも紹介しましたが、旧Twitterの創業者の一人であるジャック・ドーシーによって設立されたSNSで、昨年2月から正規版がリリースされ、現在では2400万人が登録しています。特徴はいくつかありますが、ユーザーが単一のサーバーにログインする中央集権型のXと異なり、複数のサーバーを使用した分散型であることなどがあげられます。

現在のところ、ヘイトやフェイクを見かける頻度はXよりもはるかに少ないですし、いわゆるインプレゾンビのようなアカウントもほとんどないため、かなり過ごしやすく感じています。もちろん、現在はまだ利用者数が少ないからというのもあると思いますが…もし興味を持たれた方がいましたら、ぜひ登録してみてください。

僕のアカウントはこちらです。

5.まとめ

SNSは確かに私企業が有するサービスですし、政府による介入が言論の自由を阻害する側面もあるでしょう。しかし、企業の活動には相応の社会的責任が伴うはずです。私企業のサービスだからと言って、なんでも自由にしていいわけではありません。特にヘイトやフェイクは他者の自由や人権、あるいは健康や生活を損なう危険性が非常に高いものです。このような危険なものが野放しにされていることほど恐ろしいことはないように思います。

思えば、僕たちの生活は、SNS以外でも一部の大企業に依存しているといっても過言ではありません。Googleアカウントを作成していない人はまずいないでしょうし、Amazonのサービスを利用していない人も少数派でしょう。しかし、僕たちは単なるサービスの利用者に過ぎず、こうした企業の動向に干渉することはできません。これってちょっと考えてみると恐ろしいですよね。

今年はSNSや大企業と社会の在り方、個人の関わり方について考えさせられる1年になりそうです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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